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August 28, 2012

アドラー三題話

 8月24~26日に神戸松蔭女子学院大学で開かれた日本ブリーフサイコセラピー学会より戻ってまいりました。
 前、前々記事のとおり、初めての神戸を楽しませていただきました。

 本番の学会では、もちろんたくさんの研究発表があったのですが、その中でブリーフセラピーの人たちにアドラー心理学を知ってもらうための3つの発表がありました。

 8月24日9時より、第1弾は私による「アドラー心理学の早期回想解釈によりクライエントの『望み』をアセスメントする試み」というもの。
 家族療法の技法集にも出てくる早期回想法ですが、実際の家族療法家、ブリーフセラピストはこのユニークかつ有用な技法をほとんど知らないようなので、実際の様子を事例を交えて解説、報告、提案させていただきました。
 一応今回の大会のテーマが「“ブリーフ的”希望の作り方」だったので、それに合わせたつもりです。

 第2弾は鈴木義也先生(東洋学園大学教授)による「ブリーフセラピーで用いるアドラー心理学」。
 ブリーフとアドラーの発想の共通点と違いを、似たような質問技法を通してお話しされました。両者の長所として、「面接の中で動きが出てくる、幅が広がる」と話され、まさにそこが私もこの二つに惹かれるところだと思いました。
 ブリーフは「問題より解決志向 solution focused」、アドラーは「問題より課題志向 task focused」、無意識の心理学の三大巨人を表すキーワードは「フロイトは競争・一番、アドラーは共同・一緒、ユングは独走・一人」という言葉が面白かった。
 いつも軽妙にサラッと重要なことを話される先生です。

 そしてトリは、鬼塚愛先生(やまき心理臨床オフィス)・八巻秀先生(駒澤大学教授、やまき心理臨床オフィス)による「子育て支援におけるアドラー心理学的アプローチの活用-母親への勇気づけを心がけた事例から」ということで、発達相談におけるカウンセリングの課題をアドラー心理学でどう解くかという重要な内容でした。
 昨今の発達障害の早期発見・早期介入が強調される流れの中で、治療者側が早期を目指し過ぎて、思わず母親の勇気をくじいてしまうリスクがあるのではないかという指摘は、その通りだと思いました。
 そのために丁寧な発想と介入のポイントを持つ勇気づけの考え方は大いに役に立つという実践報告で、心理検査や発達検査のフィードバックセッションにおいて、アドラー心理学の有効性を示唆してくれました。

 鬼塚先生はまだとてもお若いので、アドラー心理学に理解のある新しい世代の実践家、研究者が出てくれてうれしい限りです。

 どの発表にも30人前後の多数の方が来てくださり、時間はなかなか厳しい中建設的な質問や感想をいただきました。

 この流れを今後も継続していきたいと思います。

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