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September 24, 2012

三つ子の魂はいつまでか?

 私が引き受ける研修はメンタルヘルス系とアドラー心理学系、それから発達系のテーマが多いのですが、近いうちにいくつか発達系の話をしなくてはならないので、改めて関連書をひっくり返しています。

「社会・情動発達とその支援」須田治・別府哲編、ミネルヴァ書房は、人の社会性や情動の発達について、専門的にまとめた良書ですが(一般向けではないけど保育や教育関係者にも十分役立てると思います)、その中から私の目を引いたところを覚えに引用します。

 乳児期の母子関係などの養育者との情緒的結びつき、いわゆる愛着関係が人の発達に大きな影響を与えることは知られています。では、どのくらい影響を与えるのかが気になるところです。

 母子関係決定論者だと、100%に近い考えで、どんな問題行動や症状を見てもそこに愛着の問題を見て取るかもしれません。

 本書ではこんな調査結果が出ています。

 同一個人を追跡した縦断研究において、ストレンジ・シチュエーション法によって測定した乳幼児期の愛着タイプと「成人愛着面接」によって測定した20歳児の愛着タイプ(ABC3分類)との間に、64%の一致があったことを報告している。p35

 64%ということは多くの人が、幼少期の愛着スタイルと成人になってからのそれが同じパターンであるとはいえます。わかりやすくいうと性格が基本的な部分では変わっていないということでしょう。

 しかし、一方残り30%以上が変わったということで、臨床・教育的にはこちらの方が注目されます。本書でも、

 もっとも、64%という一致率は、3人に1人が成人になるまでに何らかの形で愛着のタイプを変質させたことを物語っており、内在化された関係性が個人の中で完全に不変のものではないことを示唆するものといえる。殊に、成人愛着面接で乳幼児期のBタイプに相当する「自律型(autonomous)」に分類される個人の中には、過去に不遇な親子関係の体験を有しながら、それを防衛なく冷静に語り得る(そして現在、実際に適応的なふるまいを見せる)もの(こうした変化のパターンを見せる個人を特に「獲得された安定型(earned secure)と呼ぶことがある)が相当数存在しており、こうした悪しき連続性の分断が何に起因して生じるのか、そのメカニズムの解明に現在多くの研究者の関心が注がれているようである。p36

 結局「人は変わり得る」ということなのでしょう。アドラー心理学や解決志向アプローチはその辺を強く信じて働きかけるという運動なのだと思います。

 

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