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September 05, 2012

「動じない」

 戦後日本のプロ野球を代表する大選手、指導者たちに大きな影響を与えた武道があるのをご存知でしょうか。

 直接教えを受け影響を受けたのは、安打製造機・榎本喜八、巨人等の名コーチ荒川博、名ショート・名監督だった広岡達郎、そして何といっても世界のホームラン王・王貞治!

 彼らだけでなく、教えを受けたのは長嶋茂雄、江川卓、石毛宏典、秋山幸二、東尾修等錚々たる面々がいます。またラグビーやほかの種目の有力選手も数多くいたといいます。

 その武道とは、合気道、特に植芝盛平翁に10段を授けられた藤平光一師が創始した心身統一合氣道

「動じない-超一流になる人の心得」王貞治、広岡達郎、藤平信一著、幻冬舎

 は藤平光一師の後を継いだご子息の信一師と王さん、広岡さんとの鼎談による、プロ野球や心身能力開発にまつわる興味深いエピソードがたくさんあります。

 私はもちろんこの辺の事情は知っていましたが、今の普通の人は王さんの一本足打法の開発過程にどのくらい深く合気道が関わっていたかを知る人は少ないと思うので、お奨めします。

 本書によると、いまや心身統一合氣道はメジャーリーグにも注目され、信一師は野球の専門家ではないにもかかわらず、ロサンゼルス・ドジャースにも定期的に指導に行かれているそうです。

 本書の主旨のひとつを広岡さんは次のように述べています。

 一つは、心身統一合氣道の創始者、藤平光一先生の「その人と功績」を今一度振り返ってみようということです。
 藤平先生には、私や長嶋茂雄、王貞治といった巨人軍の選手をはじめ、私の早稲田大学の先輩であり王の一本足打法の師である荒川博さんや榎本喜八、そして私の西武ライオンズ時代の主力選手たちなど、数多くのプロ野球選手が教えを受けました。そのことは、日本のプロ野球の歴史の中にきちんと位置づけられるべき功績だと思っています。そして、私たちが教わったのはどういうことだったのか、私たちはそれをどう自分の仕事や人生の中に活かし、どう後輩たちに伝えていけばいいのか、というポイントもここには含まれています。p184

 私もとても重要な作業だと思います。

 今でもいわゆる古武術を生かして能力アップしたアスリートのエピソードがいくつもあり、武術の身体技法の高度さが改めて見直されていますが、そのはるか前に、まさに戦後のプロ野球を裏から支えて、能力を底上げしてくれたわけで、プロ野球殿堂入りしてもおかしくない功績ではないでしょうか。

 そういう点では重要な証言の書といえます。

 

 

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