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September 17, 2012

国家資格の方向

 週末は日本臨床発達心理士会第8回全国大会に参加するため東京ビッグサイトにいました。臨床心理士系の心理臨床学会が同じ日に名古屋にありましたが、今回はこちらを選びました。

 緘黙へのアプローチなどこれまでにない、なかなか良い情報が得られました。その中で、心理職の国家資格の情勢報告があったので関心のある方のために記します。

 これまでの経過に関する事実関係は臨床心理士会からの情報と大差はありませんでした。

 6月に自民党、8月に民主党の心理職の国家資格法案を作るための議員連盟が立ち上がり、これから合同議連を作る予定のようです。
 しかしご承知の通り、最近の国会を巡る状況はかなり不透明で、与野党の議員が集まれば何か勘ぐられたりするので、スピードは鈍っているようです。これで解散にでもなれば(また中国との紛争がエスカレートすれば?)、またやり直しになってしまうかもしれません。

 早ければ今年末には法案上程し、国会を通過すれば、施行規則を検討し、いよいよ実施となります。

 そして受検対象者、希望者向けに「現職者講習会」が開かれ、国家試験の実施となります。早ければ再来年の春には第1回の国家試験がありそうとのことです。
 言語聴覚士の場合が法案成立から試験まで1年4か月だったそうだから、それを当てはめての計算だそうです。

 そこで現職者の定義が問題になりますが、言語聴覚士の場合750時間実務をしていることだったそうで、心理職は何時間になるかわかりませんが、大体そんな感じになるでしょう。実務者講習会も10日ぐらいもあって、分厚いテキストでみなさん苦労したそうです。

 問題は試験機関をどこがやるかということで、新たな法人を作ることになるのかもしれません。そこに既存の機関が統合されるのかもしれません。文科省と厚労省の共同管轄(共官というらしい)で、総務省が取り仕切るようです。

 なお臨床心理士側の主張する指定校制は取らず、指定科目性となります。どこの大学でもOKとなります。

 私たちのような現職者ではなく、これから学ぶ人の受験資格は、①学部で心理学を修めて卒業し、大学院修士課程ないし大学院専門職学位課程を修めた者、②学部で心理学を修めて卒業し、業務内容にかかわる施設において数年間の実務経験をした者の二本立てになります。
 私が以前から支持していた方向といえます。

 名称は、一応今のところ「心理師」ですが、「公認心理師」など多少変わるかもしれないそうです。やっぱり既存の名前は使えないでしょう。
 そして、臨床心理士や臨床発達心理士など既存の資格はなくなるか、基礎資格の上の専門資格として残るか、各団体で思案していくのでしょうね。医師免許やイギリスの制度に似てくるように思いました。

 しかし「名称独占」で「業務独占」ではないので、別にこの資格を持たなくても心理カウンセリングの仕事をすることは全く問題ではありません。「私、持てないからカウンセリングできなくなる」なんて心配は無用です。
 ただ、病院とか司法とか公的機関で採用される可能性はなくなるでしょうね。

 臨床発達心理士会はこれまで、いきおい、病理や精神分析学などに偏りがちな臨床心理士側、または医療心理師側の動きに対して、「教育・発達」「予防並びに教育」的観点を入れるように運動をしてきたところで、そこは私は大いに評価しているところです。
 特に学校心理士、特別支援教育士、日本教育心理学会や発達心理学会などの権威ある心理学団体と連携をしながら運動をしてきて、一定の成果はあったようです。

 いずれにしても、順調にいけば(いかない可能性も内外情勢ではあり得るが)、意外に早く(というかようやく)、国家資格実現となるかもしれません。

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