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September 01, 2012

いじめ問題事例検討会

 8月31日(金)は山梨県総合教育センターでの「教育相談事例検討会」にコメンテーター、スーパーヴァイザー的立場から参加させていただきました。
 テーマは昨今の教育界、いや日本全体でも喫緊の課題であるいじめ

 いじめ一般あるいはいじめ対策の教育施策について私ごときにいえることはありませんが、個々の事例に対してなら発言ができるので、お声がかかったのでしょう。

 いくつかのいじめ相談の事例に対して、ブリーフセラピーの発想、技法を基本に、参加者の相談員、教員の皆さんにケース理解の仕方と技法の使い方を解説させていただきました。特にリスク・アセスメントだけでなく、安全性やリソース、強みのアセスメントもしてバランスよくケースをとらえることを強調しました。
 幸い、わかりやすいと好評だったとのことです。

 そのいじめへの対応ですが、最近ブリーフセラピーの側から素敵な本が出たので紹介します。

「学校で活かすいじめへの解決志向プログラム」スー・ヤング著、黒沢幸子監訳、金子書房

 イギリスでもいじめが大変問題になっていて、日本に先駆けて様々な行政的、教育的取り組みがなされていましたが、なかなか効果を上げることができなかったそうです。残念なことにいわゆる「いじめ防止キャンペーン」はどうも役に立ちにくいことが諸研究でわかってきたようです。

 依存症と同じく、「問題をなくすこと」にこだわっている限りは、逆に問題がクローズアップされるということなのでしょう。

 それではどうしたらよいかというと、本書の答えは解決志向でいくこと。いじめという問題に注目するのではなく、どうしたらよりよくなれるか、良いコミュニケーションになるにはどうすればよいかに焦点を当てることです。
 そこでの要点は、

 望んでいる未来について話す
 過去の成功体験に着目する
 すでに存在する強みを評価する
 うまくいっていることをもっと続ける

 ブリーフセラピーのエッセンスです。

 具体的に本書では、教職員の研修の仕方、教室での取り組み、いじめへの対処、ピア・サポート作り(本書の肝です)、個別面接の仕方とかなり親切にわかりやすく説かれています。
 既にイギリスでは本書の発想によるプログラムが実行されていて、成果を上げているそうです。

 実は著者のスー先生は昨年来日してワークショップを行っており、私のオフィスの仲間が参加して、とてもよかったと話していました。そして、やはりアドラー心理学のクラス会議や教育法ととてもよく似ているとのことでした。
 私も本書を読んでそう感じます。とても勇気づけに満ちているからです。

 いじめ問題に取り組む教師や臨床家に本書はとても役立つと思います。

 

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