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October 09, 2012

「発達障害は発達します」

 名言である。
 さすが、精神科医の中の精神科医・神田橋條治先生の言葉である。

 私も使わせていただこう。
 
 

「発達障害は治りますか?」(神田橋條治他著、花風社)は、神田橋先生と発達障害当事者、作業療法士、臨床心理士、編集者との対談本で、挑発的なタイトル通り、実に刺激と楽しさにあふれた本です。

 タイトルに対する答えは、発達障害はよくなる、発達する、です。けして巷間言われるような治らないものではないという立場です。

 全くその通りと思う。確かに、発達障害の人は変わっていく。適切に扱われて、本人も努力すればよくなっていく事実はある。それを治るといって言い過ぎなら、まさに「発達する」のです。

 本書では、脳の血流や身体のバランスを整えるために、正統的な薬物療法と共に、カイロプラクティックや代替療法を駆使する神田橋流の発達障害の治療風景を垣間見ることができます。マンガ入りでとてもわかりやすい。

 誠に僭越ではありますが、私は神田橋先生とは、通常の心理療法だけでなく、先生と同じく気功や太極拳などを学び応用しようとしていることで、まったく同じ指向、嗜好、立場です。
 ただ、私はコソコソとしているだけで(こんなブログで少し思いを吐くだけで)、神田橋先生ほどの大家になると、何をしようと堂々としているという違いがあるだけです(治療能力も違うでしょうけど)。

 人は神田橋先生を「日本のフロイト」と呼ぶそうだけど、それは違うと思いますよ。
 フロイトは確かに解釈の名人ではあっても、治療の名人とは言えないようだからです。

 それより「診断おたくではなく、治療マニア」と自ら称し、「臨床に当たっていつも患者さんの未来像を描いている」「未来を思い描くことによって人は頑張れるし、耐えることもできるんです」という先生は、「日本のアドラー」「日本のミルトン・エリクソン」と呼ばれるべきだと思います。

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