「ナラティヴ・セラピーの登龍門」
10月26日(金)夜には「英語でアドラー」と称して、アドラー心理学の英文テキストの輪読会を仲間としました。
「プレイセラピストも積極的に教師とコンサルテーションをやるべき」といった主張が出ているところだったのですが、アメリカのスクールカウンセラーの事情もうかがえて興味深かったです。
ところで、最近ナラティヴ・セラピーの本を当たっていて、現場でできるだけ真似事というか実践をしようとしているのですが、なかなか良いなあと実感しています。
私にとってはブリーフ・セラピーの例外探しとアドラー心理学の勇気づけが混然としているので純粋にナラティヴ・セラピーではないのかもしれないのですが、「物語(ナラティヴ)」という意識を持つことが、自分にとってセッションが自然に流れていく感覚を持てるようになっています。
ナラティヴ・セラピーを学んだはいいけれど、まだしっくりこないとか、素朴な疑問が消えないという方にお薦めのが、
若島孔文・生田倫子編「ナラティヴ・セラピーの登龍門」(アルテ)です。
著者の一人の生田先生には以前ヒューマン・ギルドで教わったことがあります。
ナラティヴ・セラピーを学ぶ
本書は若手心理臨床家同士で、事例を素材にああでもない、こうでもないと議論し合うところがゼミや研究会のノリでわかりやすく、自分もその中に入っている気分になれます。
「外在化とはなにか」「トラウマ・ケアはどうするか?」といった技術的な疑問から、「占いとどう違うのか?」という興味を引く疑問についても考えています。
ナラティヴ・セラピーでは感情をどう見るのかという点では、
感情は社会的なコンテキストから生まれ、個人間で構成されるものであるという考え方は、ナラティヴ・モデルにおける物語りとしての感情を考える上で大変重要な考え方になります。p149
と述べており、アドラー心理学でいう「社会に埋め込まれた(social embedness)」という視点と大変共通していると思います。
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