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November 09, 2012

「自伝的記憶の心理学」

 過去の自己に関わる記憶の総体を自伝的記憶といい、主に経験したエピソード記憶からなっています。記憶の心理学研究は心理学の中で古い歴史がありながら、実験室的操作が難しいこともあって、他の記憶研究より遅れて始まり、比較的最近よく研究されるようになってきたようです。

 佐藤浩一・越智啓太・下島裕美編「自伝的記憶の心理学」(北大路書房)は、自伝的記憶研究の最前線の様子をまとめたものです。

 アドラー心理学での主要アセスメント法である早期回想解釈はまさにこの自伝的記憶を積極的に使おうとするもので、本書はその科学的・心理学的妥当性を裏打ちしてくれるものだと思いました。

 アドラー心理学が発展させた見解、「記憶は過去の事実そのものではなく、その人の今現在のものの見方を反映しており、選択されたものである」という考えが様々な研究から認められ、同意されていることがわかるからです。

 自伝的記憶研究から改めて早期回想解釈を見直してみると面白いかもしれません。いずれやってみたいです。

 ただ本書でも、自己概念やパーソナリティー形成、心理臨床での語り(ナラティブ)の視点から自伝的記憶を論じたりしているにもかかわらず、フロイトもほんの少し触れられているだけで、アドラーに対する言及は全くないことです。
 ほんとに知られていないなんだな、とこっちも妙に納得してしまいました。

 もうちょっと頑張ってみたいですね。

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