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December 22, 2012

「みんなのベイトソン」

 20世紀最大の思想家の一人、私の大好きなグレゴリー・ベイトソンの思想をわかりやすく説いた本、野村直樹著「みんなのベイトソン」(金剛出版)を読みました。

 思想、哲学書とは思えない、実にわかりやすい文章で(ただし内容は高度)、なんと名探偵フィリップ・マーロウが登場するという物語仕掛けにもなっていて、難解でなるベイトソン思想ですが、全然かまえずにベイトソンの世界が楽しめます。

 出版社HPから

 大人もイルカもインパラも、機械も子どももミジンコも、生きてるみんなの革命的学習論!
 入院先の病院から忽然と姿を消したベイトソンを探す探偵小説、時空間を超越したマジック・リアリズム、学習論をめぐる弁証法的メタローグ、織り成される数々の引用のメタクリティック、レイモンド・チャンドラーが生んだ不世出のヒーロー「フィリップ・マーロウ」とベイトソンとのありえない出会い……死を目前にしたベイトソンは何を見たのか――!?
 グレゴリー・ベイトソンが遺した人類史上に燦然と輝くモダンクラシックス『精神の生態学』を精読しながら、学習論のアクチュアリティを探る野心的快作。

 本ブログでも以前著者によるベイトソン本を紹介しましたが、その続編的なものです。

「やさしいベイトソン」
メタローグから

 今回のテーマは、学習。心理学の最も重要な研究テーマで、これまで膨大な研究がなされてきて、私たちの生活や考え方に大きな影響を及ぼしてきた領域です。

 ベイトソンは学習とういうものをコミュニケーションとして、学習の階型論というヒエラルキー構造としてとらえ直しています。
 暗算のような1対1で覚えてしまうと変化のないゼロ学習から、条件づけなどの学習Ⅰ、「学習Ⅰについての学習」である学習Ⅱ、「学習Ⅱについての学習」である学習Ⅲと、心理学でいう「学習」という現象を整理しているのですが、これだけでは何のことが伝わらないでしょうね。説明しにくいので読んでください。

 本書では、実験心理学者と、教育者や心理臨床家は違うレベルの学習に関心があることが示唆されたり(前者は学習Ⅰ、後者は学習ⅡやⅢ)、心理学の前提や考え方を一度疑い、カッコに入れてとらえ直すのに、役立つのではないかと思います。

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