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January 18, 2013

「モチベーションを学ぶ12の理論」

 長い不景気で世知辛い世の中、自己啓発書ブームは今もあると思いますが、そのバックグラウンドにある心理学的知識はどういったものかを知るのによいのが、鹿毛雅治編「モチベーションを学ぶ12の理論」(金剛出版)。

 モチベーション、やる気についての最新の心理学の知識を網羅し、一般の人に伝えようとする意欲作です。

 いわゆる「動機づけ」と言われるこの分野でよく知られているのは、外発的動機づけ/内発的動機づけの理論ですが、それ以外にもたくさんの切り口や理論があることがわかって、私も大変参考になりました。

 12の理論の名称だけ挙げてみると、内発的動機づけ、自己決定理論、接近・回避動機づけ、他者志向的動機、自動動機、フロー理論、達成目標理論、自己認知、セルフ・エフィカシー、自己制御学習、学習性無力感、パーソナリティーセオリー、です。

 私的にはその多くにアドラー心理学の理論の実証的裏付けになるような知見が多くあるように思えました。
 特に関心が出たのは、適応的な無意識の力を研究する「自動動機」という理論で、ほとんどアドラー心理学やミルトン・エリクソンの無意識観と同じ考え方をしているところでした。

 とても良い本なのですが、著者や出版社が意図するほどに一般的かというとちょっと難しいのではないかという気もしました。モチベーションを上げたくて読む本というより、もう少し深くマニアックに知りたい人とか、上げさせる側、例えばカウンセラーや自己啓発書の作家とか研修講師には、最適だと思いました。というか、このくらいは知っておかないと。

 基本、基礎系の心理学者は真面目にきちんと書いてくれるから、知識を得るにはいいけどそれをそのまま生活に応用することは難しいでしょう。やはりそこは一般の人への「翻訳者」、つまり私たちのような臨床家や講師の存在意義があるのだと思います。

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