「隠されたヨーロッパの血の歴史」
ルネサンスとはなんであったのか、文芸復興とか人文主義とか世界史でやって何となく知っているけど、その本当の意義がピンと来ないところがありました。
イタリアに行ったときにも、ミケランジェロやダ・ヴィンチたちの圧倒的な美術作品の前に、ただ「すごい人がいたんだな」と思うことしかできませんでした。
ルネサンスは私たちには遠すぎて、はっきりとは見えない。でもヨーロッパ近代を理解するのに絶対避けて通れないところなのはわかります。
副島隆彦著「隠されたヨーロッパの血の歴史-ミケランジェロとメディチ家の裏側」(KKベストセラーズ)で、初めてその実感を得ました。
ヨーロッパを理解するには、フランスやイギリスやドイツではない、イタリア(特にフィレンツェ)こそが肝なのであり、ルネサンスを主導したメディチ家とそこに集まった学者、芸術家こそが重要なのだという副島先生の洞察から、いつもながら熱い筆致が冴えわたります。
「ダンテが、ミケランジェロが、モーツアルト、ニーチェが、生涯をかけて、なぜ、何に対して闘っていたのか(表紙より)」、これが本書のテーマです。
それは言わずと知れたローマ・カトリックです。中世までのカトリックの偽善と巨悪に対して、命を懸けた闘い(と敗北)がルネサンスです。
ヨーロッパとは、大きく言えば、ローマのヴァチカンに居を構えるローマン・カトリック教会と近代知識人(モダン・インテクチュアルズ)との血みどろの闘いだ。ここにヨーロッパのもっとも大きな重心と中心がある。ここでの思想、宗教の闘いこそが「近代」と呼ばれ始めたものの実態(サブスタンス、substance)である。p18
本書の内容は知識としてはルネサンスのたくさんの人物が出てきて細かいのですが、私たちが学んだ世界史の流れの理解とそう外れるものではありません。
しかし、副島先生の語りから、初めて私は、ニーチェが何に怒り、闘っていたのかを実感することができました。
ヨーロッパの成り立ちを理解するには、とてもよい本です。
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