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February 05, 2013

「動機づけ研究の最前線」

 体罰問題は柔道界にまで広がり、大変な波紋を呼んでいますが、日本のスポーツや武道の世界には伝統的に「特訓」とか「しごき」とかの名目の陰に、実際は体罰に過ぎないものがたくさんあったのは、みんな知っているのでいまさらという感もします。
 

 ところが武道歴30年を超える私は、実は体罰を受けたことが一度もないのです。すごく態度がよいわけでもないし、将来を嘱望されるような逸材でもない私が、これほど長く武道を続けてこられたのは、もしかしたら、好きだということのほかに、そういう「嫌な思い」をしたことがないからではないかと、今回改めて思いました。

 辞めたくなったことは何度もあるけど、みんな「自分の都合(主に物理的な)」でした。

 もっとも私がやってきたのは、弓道、合気道、中国武術なので、柔道や空手、剣道に比べて、ある意味マイナーというかマニアックというか、地位も名誉も関係ないし、お金儲けどころか出るばかり、にもかかわらず小さなコミュニティー(流派や門派)で支え合い、流儀を守り合っているからかもしれません。

 それでも小さいところでも、強圧的で独裁的な指導者がいてカルト的になっているところもあるようなので、やはり指導者次第というところかもしれません。

 私の老師(先生)は、厳格な伝統主義者だけど合理主義者で、強くなるためにはどうすればいいかのみを突き詰めた方で、けして感情的にならないし、穏やかな人です。でも武人としての厳しさは醸し出している。

 いつも指導は穏やかで、丁寧です。
 ただ、私は最近たまにしか道場にうかがえないので、久しぶりに老師の前で型を披露するのはすごく緊張する。そんな時も老師は怒らず、「深沢君、違いますよ」と穏やかに指摘するのみです(それがかえって怖く、申し訳ない気持ちになります)。

 また武術自体もリラックスを極める脱力系で、合理的な身体運用を極めるための厳格な型があり、難しいけど、わかりやすさはあります。また、「気」というミステリー的な探究心をくすぐるところもあるので、続けたくなります。

 台湾の宗家から「楽しい、気持ちいいことが大事」とおっしゃっていたのを聞いたので、やはり体罰とは対極の世界ですね(甘くはないけど)。

 この機会にスポーツ、武道界は指導、教育方法について改めて考え直してほしいと思います。心理学の動機づけ研究の出番と思います。

 それに直接役立つ本ではありませんが、上淵寿編著「動機づけ研究の最前線」(北大路書房)を読んだので紹介しておきます。
 2004年の本で、今、最前線なのかは知りませんが、動機づけについての研究の動向がうかがえます。心理学徒や専門家向きですけど、以前紹介した「モチベーションを学ぶ12の理論」などと併せて読むと、理解は進むかもしれません。

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