依存症治療にもELM
前記事で勇気づけ講座・ELMのお知らせをしましたが、ELMの可能性は一般の方への研修・講座だけではありません。
私は勤務している精神病院でアルコール依存症の集団治療プログラムを担当しているのですが、そこで最近ELMを実施してみたら患者さんたちから大変好評を得ました。
何人もの方から「おもしろい」「ためになる」といった感想をいただきましたし、「アドラー心理学ってスゲーな」と言ってくれた人もいました。
私がELMを受講した時に、「よくできているな、これは臨床でも使えるな」と感じたのでやってみたのですが、やはり患者さんたちには十分楽しんでいただけたようです。
アルコール依存症の集団療法といえば、AAなど自助グループが知られていますが、自由な発言、言いっぱなし、聴きっぱなしが原則です。最近は認知行動療法をベースにした心理教育的プログラムも開発されて全国の医療機関で盛んに実施されています。それぞれに特徴、良さがあります。
認知行動療法は明確でいいのですが、多くのプログラムが短期間でクローズドのグループ向けという印象で、オープンで長く続けてるグループだと、「またコラム法か」とかネタ切れ感、マンネリ感は否めません。その中で、ELMを挟むとより新鮮な気持ちで参加してもらえ、自らの認知やコミュニケーションを勇気づけという視点からとらえ直すことができるようです。
依存症の方々は大抵、深く勇気をくじかれていますし、往々にしてご本人が周囲に勇気くじきをしてしまっていることが少なくないからです。
対象者の選び方などいろいろ検討しなければならないこともありますが、お役に立つことは明らかなので、機会を見てさらに実践研究をしていきたいと思います。
ELMを学びたい人は、ヒューマン・ギルドへお問い合わせください。
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