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March 27, 2013

腹が体幹を支える

 胴体、体幹を強くするには、あるいは姿勢をよくしたり、美容のためには、腹筋や背筋をガンガン鍛える、なんてことはよくやられています。それでかっこいい体型になれるとうれしいのですが、時にそれで固い動きになったり、腰痛になってしまうこともあるようです。

 それは私たちの体は筒みたいなもので、表面を固くすれば強くなる、しっかりするというボディー・イメージを持っているためと思われます。

 先月の「月刊秘伝 3月号」(BABジャパン)に、整体や合気道を研究している松原秀樹先生(体質研究所主宰)の記事「100%動ききるための調整術」で、私たちのそのようなボディー・イメージに変更を迫る文章が載っていたので、メモとして引用します。

 要するに背骨の外側(背筋)と腹の外側(腹筋)の間に何があるのか、という話です。そこにイメージがいかなければ、中身のない、すっからかんというわけです。

 一般に脊柱を支える力は、腹筋と脊柱起立筋の力であると考えられている。したがって腰痛を治したり予防したりするには、腹筋や脊柱起立筋を鍛えることが重要であると言われている。もしこの考え方が正しいのであれば、筋肉の強いはずのスポーツ選手たちは腰痛になるはずがない。ところが、腰痛に悩んでいるスポーツ選手は意外と多いのが現実なのだ。つまり、いくら腹筋や背筋を鍛えても、腰痛は防げないのである。

 人間の身体を植物に例えると、脊柱は「幹」に、皮膚や肺は「葉」に、胃腸は「根」に、それぞれ例えることができる。植物の場合、幹を支えているのは「根」である。根は栄養を吸収するところであるから、「胃腸」に相当する。このように考えると、脊柱を支えているのは、胃腸であることがわかるだろう。

 たとえば腹痛がひどいときに、脊柱をまっすぐに保てない。腹痛がなくても、胃下垂や胃もたれなどが慢性化している人は、脊柱を良い姿勢に保つことが難しい。つまり、脊柱を良好な状態に保つには、胃腸の状態が健全であることが前提となる。

 その上で、腹圧が重要である。腹筋、ではない。

 腹筋を鍛えると、腹筋が収縮する力が強くなる。腹筋を縮めれば、猫背になる。すると内臓は圧迫された状態になるし、腰の筋肉が伸ばされることによって緊張し、腰痛が悪化する。

 また、いくら腹筋を強化しても、打たれ強くはならない。たとえば卵をコンクリートで包んでも、落としたらコンクリートの中で卵は割れてしまうだろう。表面をいくら硬くしても、内部を守れないのである。落としても卵を割れないようにするには、真綿のように柔らかいもので包めばよい。腹部も同じで、打たれ強くするには、腹筋を硬くするのではなく、腹圧を高めればよいのだ。ゴムという柔らかい素材でできているタイヤを適度な空気圧で膨張させると、高速道路の走行にも耐えられるほど強くなるのと同じである。

 腹圧を高めた状態は、腹筋が伸びた状態になっている。収縮とは真逆である。腹圧を高めるには、腹筋が十分に伸びなければならない。したがって腹筋が硬縮していると、十分に腹圧を高められない。

 腹圧を高めた状態、すわなち「下腹の膨張力」こそ、脊柱を支える本当の力なのである。p101

 下腹の膨張力、まさに下丹田です。日本に初めて太極拳を伝えた我が流派の王樹金老師のパフォーマンスがまさにそうで、鍛えぬくとヘビー級のボクサーのパンチが効かないほどになるのです。
http://www.youtube.com/watch?v=TgSPsiQhAZk (動画の前半が王老師、後半の髭の人は全く関係ない別の拳法の人です)

 

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