日本臨床・教育アドラー心理学研究会実施!
以前お知らせしたとおり、3月3日(日)、埼玉県越谷の文教大学で「日本臨床・教育アドラー心理学研究会第3回大会」が開かれました。
強烈な寒波襲来で寒かったにもかかわらず、総勢50人近くの人が集まり、とても充実した会になりました。
午前は八巻秀先生(駒澤大学教授、やまき心理臨床オフィス)による講演「アドラー心理学を生かした心理相談」。先生はすでにブリーフセラピー、家族療法界の大物ですが、実はお若い頃からアドラー心理学に惹かれて関心を持ってこられ、「心のスーパーバイザー」は、アドラーというほどだそうです。
臨床場面で困ると、思わず天国のアドラーさんに思いをはせるのだそうです。ステキですね。
スクールカウンセリングの一場面を使ったアドレリアン的発想のカウンセリングを示され、「共同体感覚」は、臨床家の実践を支える「臨床思想」であると主張され、とかく技法、理論、エビデンスに傾きがちな臨床心理学に対して、思想、価値観を意識して持つことの意義を強調されていました。これは非常に重要な指摘だと思います。
午後は高坂康正先生(和光大学専任講師)による「共同体感覚尺度による共同体感覚の測定」。今度は一転して、共同体感覚を数量化するというユニークな研究結果の発表です。
測定困難と思われていた共同体感覚を測ることで、アドラー心理学の実践の成果を検証したり、世に訴える力が増す可能性が開かれるかもしれません。
私としては、他の尺度を使っていた治療効果の測定もこれである程度できるかもしれないので、今後の研究の発展に期待するところですが、それ以外に、「測れるもの」がはっきりすることで、共同体感覚の「測れないもの」もより明確になることも期待できるように思いました。
オーソドックスな心理学的研究により数量化が進むことで、逆にエピソードやナラティブという従来のアドラー心理学の得意とする質的、体験的側面をより明確に描写する力も増すかもしれません。尺度はあくまで道具に過ぎず、別にそれが治すわけではないので、よけいに実践力が問われるからです。逆に、知能検査で測るIQが知能のすべてと考えるのが間違いなように、尺度で測る共同体感覚が、その体験を全て記述すると考えるのも間違いです。
ちょうどエビデンス・ベースドが隆盛して、ナラティブ・セラピーが登場したようになるとよいでしょう。
現場の生のコミュニケーションはエビデンスが動かすわけでありません。そこは我々臨床家、実践家の仕事ですね。
最後は小峰秀樹先生(川口北高等学校)による「共同体感覚を意識した高校の授業」。やはりアドラー心理学は現場で使って、使えてなんぼです。
高校生はなにかと難しい時期ですが、小峰先生は一方的な一斉授業でなく、「授業を始める前の取組」を重視し、ワークや話し合いによる「ルールとリレーション」作りに挑戦されている先生です。
私の記憶では、高校の先生って割と一方的に授業したり、とっつきにくい印象があったのですが、小峰先生、一見強面かと思うと、実はとても柔軟で優しい人でした。生徒さんたちはこのやり方になじむと、とてもよい関係を先生や仲間と作れるんじゃないかと思います。
といった感じでとても中身の濃い一日でした。
アドラー心理学に初めて触れる参加者も多く、潜在的な関心とニーズも感じることができたのが主催者側としては収穫でしたね。
感想は友人のぐうたら三昧さんやお知り合いになった亀田先生も書いてくれています。
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