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April 16, 2013

早期回想のテキスト

 アドラー心理学の十八番、早期回想の勉強で参考書にしている本です。

 Arthur J. Clark「 Early Recollections - Theory and Practice in Counseling and Psychotherapy」 
 残念ながら洋書です。がんばってみましょう。

 幼児期、子ども時代の思い出をどのように扱うか、アドラーとフロイトの記憶へのアプローチの違いや早期回想の聴き取り方、整理や解釈の仕方などが丁寧に説明されています。

 どのような立場をとるにせよ、カウンセリングで子ども時代の話が出ることは多いので、記憶をどのように扱うかは、非常に重要なスキルになります。なんとなく「ああ、そうなんだ」と聴くのは、一見受容・共感しているようで違うと思うんだな。

 興味深いのは臨床像によってどのような早期回想が出やすいか「診断的印象」として示されていることで、物質関連障害(アルコール、薬物依存)、統合失調症、気分障害、不安障害、解離性障害、摂食障害、行為障害、反社会性人格障害や境界性人格障害が挙げられています。

 著者の早期回想利用の考えは、contextural and developmental model と著者が呼んでいるもので、早期回想をクライエントに関する仮説を作り上げる、フォーミュレーションするときの様々な情報を統合する枠組みとして利用する、そして治療的介入においてガイドラインとして利用する、というものです。

 僭越ながら、これは私が普段やっていること、考えていることとほとんど同じという印象で、私としてはやっていることが間違っていなかったという思いで勇気づけられました。

 誰か、どこか翻訳、出版してくれないかな。私じゃ役不足だし。アドラー心理学の臨床本をもっと紹介したいと思う今日この頃なのだ。

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