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May 04, 2013

「なぜ直感のほうが上手くいくのか」

 私たちは物事を判断するとき、できるだけ情報を集めて、論理的に損得を分析して考えるのがよいとしています。

 直感や勘に頼ることはできるだけしないように戒められます。

 しかし、必ずしも論理的判断は直感より優れているわけではないということが、心理学の研究でわかってきたようです。

 ゲルト・ギーゲレンツァー著「なぜ直感のほうが上手くいくのか-「無意識の知性」が決めている」小松淳子訳、インターシフト

 には直感の優れているところや理性的思考の限界が数多くの心理学的研究に示されていて、非常に勉強になりました。著者はマックス・プランク人間発達研究所の適応行動・認知科学センター所長で、この分野の第一人者のようです。

 本書には、時には、無知による直観は専門的知識に勝ったり、情報は少ない方がうまくいく、といったこれまでの常識に反するような知見が具体的に豊富に述べられています。スポーツから投資、医療現場での臨床判断、司法判断、臓器提供の意思決定、パートナーの選択など、多くの分野で理性的判断の限界と直感の優位性が例示されています。
 著者はそこで働く直感を「無意識の知性」と呼んでいます。

 そういった無意識観は、無意識は本能や欲動であるとする考え方とは少し違い、その個体の生存のために、意識的思考とは違う独自のルートで判断するものであると考える点で、ミルトン・エリクソンやアドラーと共通したところだと思われます。

 非常に興味深いですね。

 もちろん著者はなんにでも直感が優れていると言っているわけではなく、思考も直観も優れた働きをする条件があると言いたいのだと思います。

 私自身、何か重大な決定をするとき、いや普段の意思決定の場面でも、いろいろ情報を集めて分析しても、結局は「こっちだ!」と直感で決めてきたような気がします。そして往々にしてその直感の指し示す方向は、意識的な分析とは逆の方なのです。直感を gut feeling といいますが、まさに「内臓感覚」ですね。
 少なくともその方が納得感が高いというか、うまくいかなくても後悔しないような気がします。

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