東洋思想と心理療法
6月1日(土)、東洋思想と心理療法研究会の研修会で駒澤大学に行っていました。今回のテーマは「性愛」。スケベ心で思わずテーマにつられて行ってしまいました。
もちろん中身は真面目ですよ。しかも別にフロイトがどうとかではなく、「日本文化における性愛と心」を扱うという意欲的な企画です。内容はとても濃かったです。
最初は「日本における同性愛の歴史と現在」で、精神科医・平田俊明先生の講演。平田先生は、新宿のしらかば診療所でセクシャル・マイノリティーの人たちの心理的支援、治療を行っているそうです。
古来日本は同性愛は「男色(なんしょく)」「衆道」と実践されており、なんら特別視されることはなかったのが、明治以降西洋の文化、医学が入るにつれてそれが異常視され、病気、倒錯とされてしまいました。そうなると、生来その傾向がある人は自らを「異常」と思い込んでしまい、悩むようになります。そのプロセスを「セルフ・スティグマ」と先生は呼びます。
およそ1920年ころから、同性愛が異常視されるようになったそうです。
知っているようでなかなか知られない、セクシャル・マイノリティーの歴史や当事者の悩みをうかがうことができて、それを日本の性の歴史の中に位置づけることができてよかったです。
他に「東洋思想と森田療法-自然と人間の関係から考える」(北西憲二先生、森田療法研究所、北西クリニック)という講演では、森田療法の思想が原始仏教や老荘思想や浄土思想とつながっていることを改めて確認できました。マインドフルネス認知療法のはるか先駆けとして、森田療法は今後ももっと注目されていい存在です。
最後のシンポジウムでは歴史学者や東洋医学の医師により、芸能とシャーマニズムの歴史、遊女や男色の歴史(お稚児さんや小姓、歌舞伎など)、中世の性愛と神仏の関係を真言立川流の研究から、道教の房中術の思想、歴史と幅広く語られ、実に情報量が多かったです。
さすがの私も消化不良気味。
概ね性について、江戸期の日本は支配層は朱子学のせいで、お家中心の貞節観念に縛られてましたが、庶民、大衆はおおらかであったようです。
夜這いでできた子は誰の子かわからないので「村の子」として育てたとか、江戸時代に女性も旅をするようになると旦那以外とできるので楽しみにしていたという記録があるとか、興味深いエピソードをいくつも聴くことができました。
臨床家はよろず偏見なく、幅広い知識を持つことが必要なので、こういう分野にも目配せしておくことは大切だと思います。
スケベ心で学びましょう。
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