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July 17, 2013

自民の憲法とは

 参院選たけなわで、私のオフィスの前は甲府の幹線道路なので、選挙カーがよく通ります。この間歩いていたら、向こうから真っ黒に日焼けした自民系の候補者が走って寄ってきて「お願いします!」と握手されました。

 別に応援している人ではなかったけど、そこは大人ですからにこやかに、「がんばってください!」と声をかけました。しかし、候補者もこのクソ暑い中、大変だと思いました。

 山梨は昔から選挙の激しいところで、保守王国と言われながらも、中央の意向がそのまま反映するところではありませんでした。あの小泉郵政選挙の時も、反郵政改革の人が当選していました。さすが石橋湛山や金丸信のような一筋縄ではいかない党人を生んだところです。

 しかし今回はダメだ。見事に野党は分断されて、私の選挙区に私の考えと同じ人がほとんどいなくて、地方区では今まで入れたことのないあの赤い政党に入れるしかないかなと思っているところです。

 勝った暁に安倍首相がやろうとしている憲法の改革とやらはどうなのか。いろいろ調べたけど、やっぱりろくなものではなさそうだ。統制社会に行きつくのが目に見えています。ここでは内田樹先生の記事をリンクします。

 おもしろいのは、アメリカ・オバマ大統領が安倍首相に実に冷たい態度というところです。いきがっていたら、気がつけば米中の番長に囲まれて注意されている悪ガキという状況か。

 私の憲法論

 日本は戦後六八年間、国家として他国民を誰一人殺さず、また殺されもしなかった。これは、先進国のなかでは極めて例外的である。非戦を貫けたのには戦争の放棄を定めた憲法の理念的な支えがあったからである。戦後日本が「近親者を日本兵に殺された」経験を持つ国民を海外に一人も生み出さずに済んでいるという事実は憲法がもたらした動かしがたい現実である。 
 しかし、自民党は改憲で戦争をできる権利を確保して、集団的自衛権の行使によってアメリカの軍略に奉仕する方向をめざしている。
「現行憲法では国を守れない」というのが改憲の理由の一つであるが、その主張には説得力のある論拠が示されていない。ほんとうに現行憲法のせいで殺された国民、奪われた国土があるというのなら、改憲派にはそれを挙証する義務がある。でも、彼らは「この憲法では国を守れない」と言い募るだけで、「この憲法のせいで国を守れなかった」事実を一つとして挙げていない。
にもかかわらず集団的自衛権の行使に改憲派がこだわるのは、米国の軍略に協力するならば、その返礼として同盟国として信認され、それが日本の国益を最大化することになるという方程式を彼らが信じているからである。親米的でなければ長期政権を保てないという教訓を安倍晋三首相は戦後保守党政治史から学んだのである。
しかし、米国は改憲によって日本がこれまで以上に米軍の活動に協力的になることは歓迎するが、日本が軍事的フリーハンドを持つことには警戒的である。今の日本のような国際感覚に乏しい国が軍事的フリーハンドを手に入れた場合、近隣諸国と無用の軍事的緊張を起こす可能性がある。そうなると、日本そのものがアメリカにとって西太平洋における「リスク・ファクター」と化す。
「改憲後日本」の軍事的協力のもたらすメリットと「改憲後日本」の「リスク化」がもたらすデメリットを考量した場合に、ホワイトハウスが改憲に対してリラクタントな表情を示す可能性は高い。
皮肉なことだが、今の国際関係の文脈では、アメリカが護憲勢力となる可能性があるということである。
現に、安倍首相が二月の訪米でオバマ政権から異例の冷遇を受けたのも、米国の主要メディアから「歴史認識問題で韓国や中国ともめ事を起こすな」と釘を刺されたのも日本に対する「調子に乗るな」というメッセージと理解すべきだと私は思う。
ホワイトハウスはすでに自民党の改憲草案の英訳を読んでおり、その内容のひどさにかなり腹を立てているはずである。
現行憲法はアメリカの信じる民主的な政治のある種の理想をかたちにしたものである。近代市民革命以来の立憲政治の英知を注ぎ込んで制定して、「日本に与えた」つもりの憲法を自民党の改憲草案のような前近代的な内容に後退させることは、民主国家アメリカにしてみると、国是を否定されたことに等しい。だから、改憲によって日本が軍事的フリーハンドを手に入れることには好意的なアメリカ人であっても、草案の内容そのものを支持しているわけではない。改憲草案の退嬰性を歓迎するという心理的文脈は米国内には存在しないであろう。
改憲草案は現行憲法が定めた国のかたちを全面的に変えることをめざしている。本来なら革命を起こして政権を奪取した後にはじめて制定できるような過激な変更である。条文の区々たる改訂ではなく、国のかたちそのものの変更であるからこれはたしかに「革命」と呼ぶべきであろう。だから、私は今の自民党を「保守」政党とはみなさない。きわめて過激な政治的主張を掲げた「革新」政党だと思っている。

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