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August 16, 2013

「人はなぜ依存症になるのか」

 暑いねえ。

 月末から来月にかけて、ワークショップや研修が続き、資料作りに追われています。

 そんな中で、エドワード・J・カンツィアン、マーク・J・アルバニーズ著、松本俊彦訳「人はなぜ依存症になるのか」星和書店を紹介します。

 アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存など依存症と名のつく状態はたくさんあるのですが、同じことをしていてもある人はそうなり、多くの人はそうならないのはなぜでしょうか。「根性がない」「だらしない」など普通の人は当事者も含めて、ネガティブなレッテルを張ってしまいがちです。

 また脳科学や生理学的な説明もあるでしょうけど、それはその状態を記述しているにすぎず、そこへ至る本人の世界を説明することはできません。

 本書は依存症者がその行為をするに至った動機に焦点を当てています。それを「自己治療仮説」といいます。

 簡単にいうと、人はつらい感情や生きることの苦痛、やっかいな人間関係を耐えるストレス、心の傷などを自分で癒し、自信をつけるために、その依存行動(飲酒したり、薬物を摂取したり)をする、つまり、自分で自分を治療しようとしているという考えです。

 依存性物質には、制御困難な感情や自己価値観、あるいは人間関係や行動上の問題が引き起こす苦痛をほんのつかの間だけ緩和したり、変化させたり、何とか耐えられるものとする効果がある。そして、そのような効果があるからこそ、人はある物質に対して依存するのである。p21

 要するに依存症には目的がある、ということでアドラー心理学の発想と全く重なります。また当事者やその家族、治療者にとってはわかりやすく、納得できる考えだと思います。著者は、当事者の視点に立った「やさしいアプローチ」と言っています。

 反対に依存症になりにくいのは、

 一方、自分が体験する感情に対する気づきがあり、そうした感情を違和感なく受け入れることのできる人、気楽に人とのかかわりができる人、いつも慎重に行動する人は、たとえ抗しがたい遺伝的素因を持っていたとしても、依存症にはなりにくいといえるだろう。p21

 全くそう思います。

 やや専門的ですが、依存症について理解するには好著です。

 

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