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October 13, 2013

「依存症」社会

 この国は、人々がアヘン中毒に陥って衰退していった清朝末期のような状況なのではないか。

 和田秀樹先生の「依存症社会」(祥伝社新書)を読んでそう思いました。

 本書はアルコール、薬物、ギャンブル、またゲーム・ネットなどの依存症について正しい医学的知識を一般の人たちに持ってもらうための啓蒙書で、依存症は「意志や気持ち、根性」の問題ではなく、「病気」であり、治療が必要であることを明確に述べてくれています。

 関心のある方は是非、お読みいただきたいのですが、他にも同じような啓発本はあると思います。本書の白眉は、なぜ依存症が増えるのか、その社会的背景が明確に告発されていることです。

 和田先生は今の日本の状況を「依存症に依存する社会・ニッポン」と呼んでいます。

 テレビで、酒やパチンコ、競馬、競艇などのCMがバンバン流れるのが、諸外国に比べていかに異常な現象であるか、多くの人はまだ気づいていないでしょう。
 日本でも放送時間の多少の規制はあるようですが、欧米は全然そんなレベルではなくてかなり厳しいらしいです。
 アメリカやではウイスキーなどの蒸留酒はテレビCM禁止、ビールやワインは飲んでいるシーンは出してはダメ、フランスやスウェーデンはほとんどのアルコールのテレビCM禁止、オーストリアやスペイン、フィンランドは度数の高い蒸留酒の広告禁止だそうです。

 それは依存症が増えることが、どれだけ国民にとって危険なことか、そして国家にとっても損失かよくわかっているからです。

 どうして日本はそうなのか、最も悪いのは酒やパチンコなどの関連業界とマスコミとの深い関係であり、マスコミにとって、この不景気の中で高い広告料収入が望めるためにそれらの害はほとんど流さず、楽しさや面白さばかりを強調する場面ばかりを大量に流し続けているからです。
 日本人はいまでもテレビの内容を信じて暗示にかかりやすい国民ですから、簡単にはまってしまいます。和田先生は「カモになりやすい国民性」といっています。

 また芸能人の覚せい剤などの不祥事が生じてワイドショーが大騒ぎになったときも、コメンテーターや識者たちが病としての依存症について言及せず、それを個人の気持ちや人間性のせいにして、いかにでたらめを言っているかを、和田先生は厳しく追及しています。

 日本は依存症製造国家であり、そうなってしまったのはデフレ環境下で安易に稼げるビジネスモデル、著者のいう「依存症ビジネス」が大きくなりすぎてしまったためであり、和田先生は早急に何とかしないと日本の国力衰退は必然と警告を鳴らしています。

 マスコミと依存症関連業界の関係の深さの他に、駅前にはパチンコ店があり、コンビニでは酒があり、一般の人が容易にアクセスできる状況も問題です。なぜカジノが砂漠など特殊な場所にあるのか、お台場にカジノなんてほんとにいいのか、私たちはよく考える必要があります。

 なお、山梨にお住まいの方で、依存症にお悩みの方、ご相談したい方は心理臨床オフィス・ルーエにお問い合わせください。

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