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October 23, 2013

「武術と医術」

 甲野善紀・小池弘人著「武術と医術-人を活かすメソッド」(集英社新書)を読みました。

 武術家・甲野先生と統合医療の普及に努める小池先生という方との対談本です。統合医療というのは、代替医療や民間医療そのものではなく、正統的現代医療とそれらとの相補関係を確立して包括的な医療を目指そうという運動のようです。

①現代医療と相補代替医療の統合された医療体系
②患者さん中心の立場から、包括性・全体性を重視しつつ、個々の人にあった治療法ならびにセルフケアを自らが選択する医療  p231

 だそうです。小池先生はいわゆる「糖質制限」を進める立場ですが、とても柔軟で幅広い考え方をする人のようで、私は好感を持ちました。

 本書は、甲野先生がいつも通りに現代医療や科学への不満をところどころにぶつけながら、小池先生に統合医療について聞いていくという体裁になっています。ちょっと驚くようないろいろなエピソードや意見があっておもしろいです。

 本書のキーワードは「縮退」という言葉。元々物理学の用語らしいですが、ものごとの流れやコミュニケーション、考え方が加速していって固まったり偏っていくことを指すらしい。武術的には「居つく」ということでしょうか。
 エビデンスがある現代医療でなければならない、いやいや代替医療が正しいというような、「あれか、これか」という二分割的思考に陥ることを、著者たちは盛んに戒めています。

 私はもっともだと思うし、そのように努めているつもりなので、著者たちの主張に賛同します。さらに印象的だと思ったのは、以前は本書の脚注に出てくるようなマイナーな古武術や代替医療の周辺の知識や人物が、表に出てくるような時代になってきたということ。
 その点での長年の甲野先生の功績大だと思います。

 あと本書に出ていたちょっとしたエピソードで興味深かったのは、「ケンカ太郎」と呼ばれた武見太郎元医師会長が、整体教会の野口晴哉先生を大変高く評価していたり、日本の保険診療に漢方を入れた(ねじ込んだ)功績があったことです。そのため漢方の人で、武見太郎の悪口を言う人はいないそうです。昔の大物は懐が深かったようです。

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