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November 28, 2013

「いじめの構造」

 最近ハラスメント問題について「労基旬報」に原稿を書いたり、スクールカウンセラーをやっている関係でいじめに改めて関心を持ち、いじめの社会学研究の第一人者内藤朝雄氏の著作をいくつか読んでいます。いじめを生む人間関係の構造について、とても根源的なところから分析をしていて触発されています。

 内藤朝雄著「いじめの構造 人はなぜ怪物になるのか」(講談社現代新書)は、新書にしてはかなり中身の濃い内容です。

 内藤氏は、いじめは「群生秩序」とでも呼ぶべき「ノリ」を中心価値とした人間関係と、「中間集団全体主義」と呼ぶべき閉鎖的組織構造があるところで生じやすいといいます。

 群生秩序ではノリやその場の雰囲気が支配していて、ノリに従うこと、同調することが良いこととされ、その中にいる子供たちは、ノリに合わない、従わない子どもを見つけると容易に攻撃性をエスカレートさせてしまいます。

 おそらく、ノリに合わないというのは、明らかなその子の行動のこともあるでしょうけど、ほんの小さな差異、違和感を見つけるといじめの加害者たちはそこを拡大するのでしょう。本書には豊富な事例が載っていますが、いじめ構造に陥った子どもたちの行動はぞっとします。しかし、けして彼らは「狂って」いるわけではなく、自分たちのいる社会の秩序に「適応」しているだけなのでしょう。

 そういう群生秩序に対して内藤氏は、「市民社会の秩序」を入れるべきと主張します。端的にいうと警察に介入させることで、「いじめは割に合わない」ことがわかると彼らは容易に正気に戻るだろうといいます。

 私も児童福祉や臨床心理の枠組みで被害者のサポートはできても、加害者にはなかなか届かないので、警察や強烈な第三者が入ることは仕方ないと思ってきました。その学校、学級自体がいじめを生む構造になってしまっているなら、自浄作用は働きにくいでしょう。

 本書では、いじめを生まないための教育政策についての提言もされていますが、特に「学級制度の廃止」をうたっています。いじめを中心に考えると「学級」という中間集団が全体主義化する恐ろしさを感じますが、ここは多くの教師たちが反発したり、悩むところでしょうね。クラス運営に優れた実践をしているアドレリアン教師たちが、どう思っているかうかがいたいところだと思いました。

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