« 外から見たSTAP騒動 | Main | 国家資格「公認心理師」成立か »

April 21, 2014

「どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話」

 長いタイトルです。

 小林リズム著「どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話」(リンダパブリッシャーズ)

 タイトルだけ見ると「最近の若者は忍耐力がない」と説教したくなる話とか「新型うつ」の話と取られるかもしれませんが、違います。
 普通の女子大生が就活に苦闘した末にやっと入った会社がとんでもないところで、でもせっかく正社員になれたのだからなんとか順応しようと必死になるけれど、あまりにもひどい会社で心身が追い詰められていき、さあどうする?という話です。著者の体験、「実話」だそうです。

 ネタバレになるからいいませんが、著者が入社したのは、カリスマ的な代表が支配するカルト宗教みたいな会社で、代表の振る舞い、言動はどう考えてもおかしいところでした。でもやっと入れた会社なので新入社員たちはなんとかそれに合わせていこうとします。彼女たちはおかしいと感じながらも、初めての会社なので何となくそんなものかな、と無理やりにでも納得しようと努めます。実際、先輩社員たちは納得しているようだ。ほんとにそれは洗脳のプロセスといえます。

 いわゆるブラック企業の一つの姿でしょう。これを知るだけでも本書の価値は高いといえます。

 そして、今の若い人たちが社会に出るときに直面する悩みや不安がリアルに感じられます。安易に「がんばれ」なんて言っちゃいけないと思いましたよ。
 シビアな話ではありますが、著者の描写がリアルだけどおもしろくて、一気に楽しく読み通せました。

 著者の小林リズムさんは、昨年ここでも紹介しました。 小林リズムさんを推します!

 そのときは物書きの卵という感じでしたが、やはり才能を見抜かれたのか早くもデビューがかないました。応援した私もうれしい。視点が面白くて、毒もあって、ユーモアや適度な自虐性もあって、今後注目のライターです。

|

« 外から見たSTAP騒動 | Main | 国家資格「公認心理師」成立か »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/81571/59508607

Listed below are links to weblogs that reference 「どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話」:

« 外から見たSTAP騒動 | Main | 国家資格「公認心理師」成立か »