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May 19, 2014

「ハーバードの秘密」

 ハーバード大学なんて私ら凡人には絶対縁がないところですが、勝手に「すげー」と思って、やけに憧れと尊敬を持ってしまっています。実際すごい人たちがいるんでしょう。でも、実際はよくわからない。

 最近のハーバード人気は、マイケル・サンデル教授の影響も大きいでしょうね。

 ハーバード大はどんなところで、その役目はなんで、どんなことを教えていて、どうやったら留学できて、日本にどんな影響を与えているのかを知ることができるが、古村治彦「ハーバード大学の秘密-日本人が知らない世界一の名門大学の裏側」(PHP研究所)。

 サンデル教授の「ハーバード白熱教室」の裏側も出ています。

 一言でハーバード大の役目をいうと、帝国アメリカが世界を管理、支配するための知識、技術、そして人材を供給するところといえます。本書が特に重視するのは、ビジネス・スクール(経済)とケネディ・スクール(行政)の大学院。
 ここに世界から次世代の官僚、政治家の卵が集められ、「洗脳」されて母国に送り返されます。昔でいうエリート養成の「士官学校」にあたると著者はいいます。

 今の日本の支配層に、「ハーバード体験」をした人は網の目のように、竹の地下茎のようにネットワークを作っている。それを著者は「竹の子ほり」のような作業で明らかにしていきます。副島隆彦先生の弟子だけあって、人脈分析は優れています。

 そのハーバード人脈を著者は「クリムゾン・クラブ」と呼びます。クリムゾンとは深い赤、ワインレッドの色で、ハーバード大のカラーだそうです。早稲田のえんじ色、明治の紫紺、東大の水色みたいなものです。

 そのクリムゾン・クラブの中心にいるのは楽天の三木谷浩史氏とあの竹中平蔵氏。2人とも産業競争力会議の中心メンバーでもあります。
 三木谷氏はハーバードをかなり意識しているようで、実際東北楽天イーグルスとヴィッセル神戸のユニホームが、まさにクリムゾンなのはそういうわけのようです。

 クリムゾン・クラブは、それまでの「アメリカの代理人」(読売の渡邉恒雄、中曽根康弘元首相ら)から世代交代し、これからの日本を動かす人たちとなります。良い方向かは別として。

 それはオリンピックの東京招致にも大きな影響を与えたと考えられ、著者は平田竹男早稲田大学大学院教授(ハーバード大ケネディ・スクール卒)を挙げています。桑田真澄氏や大橋美歩アナウンサーの指導教官だそうです。私、大橋さんのファンなのでうらやましい。何でも1年で修士が取れるらしいぞ。

 本書は今の日本のニュースの裏側の仕組みが少し見えてくる良い研究だと思います。
 政治や経済はやはり人がするもので、人のつながりこそがすべてです。どこの国も学閥は強いようです。こういうのを人生の裏側の生々しさがわからない、耐えられない人は安易に「陰謀論」とか茶化すんでしょう。

 ちなみに、ハーバード大に2年間留学すると学費と生活費込みで大体2,500万円ぐらいかかるそうです。絶対無理だ。
 エリート官僚やビジネスマンたちは、それを官庁や会社から出してもらえるんだから、一生懸命勉強するし、プライドも持つし、「ご主人様」の意向に忠実にもなるでしょう。

 本書はそのようなアメリカの大学の留学事情や政治学の理論(合理的選択理論など)の解説もあり、けっこう幅広い内容になっています。

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