« 岩井先生対談動画 | Main | 不思議大好きは勇気を高める »

November 03, 2014

「勇気の科学」

 ロバート・ビスワス=ディーナー著「『勇気』の科学」(大和書房)

 勇気といってもアドラー心理学ではなくて、今や新興勢力として伸び盛りのポジティブ心理学から勇気を研究、考察した本です

 実証的に人の健康な側面を研究しようというポジティブ心理学は、最近注目されていろいろなところで言及されています。。レジリエンスやストレングスから、いよいよ勇気にも手を伸ばし始めたということでしょうか。

 著者は「ポジティブ心理学界のインディージョーンズ」と呼ばれているそうで、なかなか冒険心に富んだ面白い人物のようです。
 アフリカのマサイ族に焼き印を押されたり、飛行機恐怖症なのにスカイダイビングに挑戦したり、勇気というか蛮勇というかわからないけど、けっこうチャレンジングで楽しいエピソードがいくつも出ています。

 著者は勇気を科学的に研究するために、まず古今東西の知を参照したそうですが、その中にアドラー心理学が入っているかはわかりません。本書にはご多聞に漏れず、アドラーのアの字も入っていません。ただ一般書なのでその辺はよしとしましょう。

 本書の勇気の定義は、 「勇気とは、危険、不確実性、恐怖があるにもかかわらず、道義的で価値ある目的に向かっていく行動意志である」p40というもの。
 私には数あるアドラー派の人たちの言葉とほとんど重なると思えます

 つまり内発的動機づけ的な内側からの心理的状態と、リスクのある外界との相互作用として勇気があると見ていること、人々の公共の福利に建設的に向かうものということで(アドラー的には共同体感覚)、アドラー心理学とほぼ同じ見解です。

 勇気の主要な要素としては、 「行動意志」「恐怖のコントロール」があるといいます。
「恐怖を抑制することと、行動意志を高めることの二つの能力を向上させることで、貴方の人生の価値は高まり、より良く生きられるようになります」p41 といっています。

 本書のメリットは、実証された心理学のメソッドを使って、その二つの高め方を説明しているところで、いろいろなところで使えそうです。

 勇気のためのいろいろな研究結果が紹介されていますが、本書には引用元が出ていないので、私は念のために原書を買い求めました。改めて勇気について、勉強してみたいと思います。

|

« 岩井先生対談動画 | Main | 不思議大好きは勇気を高める »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/81571/60588628

Listed below are links to weblogs that reference 「勇気の科学」:

« 岩井先生対談動画 | Main | 不思議大好きは勇気を高める »