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November 08, 2014

「コミックでわかるアドラー心理学」

 アドラー心理学のコミック版入門書がまた出ました。
 早稲田大学教授の向後千春先生による「コミックでわかるアドラー心理学」(中経出版)です。
 向後先生はこの9月の日本心理学会でのアドラー心理学シンポジウムを企画され、私も話題提供者として呼んでいただきました。アドラー心理学のみならず、教育心理学、教育工学で大変高名な先生です。私にとっては大学の大先輩でもありますね。

 本書は岩井俊憲先生版とはまた違った趣があって、これはこれですごく良い内容です。

 ある日シェアハウスに入ることになった若い女性(元アパレル店店長)が、住人やバイト先の子どもたちとの交流を通して成長していくというストーリーです。

 アドラー心理学の世界へいざなうのは、岩井先生版ではアドラーの霊でしたが、向後先生版ではなぜかやたらアドラー心理学に詳しいクールでイケンメンの青年です。
 主人公の成長物語、文学的には教養小説といいますが、ストーリーには導き手、師匠になる人物がどうしても必要です。その設定の仕方に先生方の苦労や工夫が感じられて興味深いところですね。

 私が依頼されたらどうするかな。

 イケメンは(私が)気に入らないから、キモオタの青年が女の子が嫌がるのに無理やりアドラー心理学を説いて聞かせるうちになぜか恋が芽生えるとか、世代的にシェアハウスといえば「めぞん一刻」なので、さえない浪人生かフリーターの青年に美人未亡人が手取り足取り指南するとか(妄想が膨らむ…)、「ベストキッド」ばりに武術の達人が身を持って教え諭す(「考えるな、共同体感覚を感じるんだ」)とかはどうでしょう。売れないだろうな。

 本書で特によいのは、これまでアドラー心理学の外ではあまり知られていなかった「最優先目標」を紹介しているところです。その人の基本的な人生目標を4つのタイプから考える方法です。私も研修などで時々使っています。いつも参加者に受けて活発な議論になります。とても面白い考え方ですよ。それが学べるのだから、とてもお得ではないでしょうか。

 こんな風に常に新たな切り口のアドラー本が出る世の中になって、今年は良い年でした。

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