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November 05, 2014

不思議大好きは勇気を高める

 ロバート・ビスワス=ディーナー「勇気の科学」(大和書房)は前記事のとおり、勇気についてポジティブ心理学からアプローチしていて、勇気を高める方法としていろいろな心理学的方法を紹介しています。

 中でも最も面白いと思ったのは、 「魔術的思考は私たちが恐怖や不安に対処し、勇気を高めるために大いに役に立っている」p127という主張です。
 魔術的思考とは、非合理、神秘的なことを積極的に(程度の差はあるが)肯定する考え方です。
「いや、私は科学主義者で非科学的なことは一切信じない」という人はいるかもしれませんが、そういう人であっても、魔術的思考から逃れることはできません。次の状況ではどうでしょうか。

①直前に殺人犯が宿泊したホテルの部屋に泊まる。
②新品の尿瓶に入れられたアップルジュースを飲む。
③ヒットラーの持ち物だったセーターを着る。
④犬の糞の形をしたファッジを食べる。

 たいていの人は、これらの行動をとることを躊躇します-そのことに、論理的、科学的な根拠がないにもかかわらず。
 これは私たちの多くにみられる、「接触感染」という魔術的な思考です。 p127

 おまじないやお守り、ラッキーアイテムはバカにできない、超自然的な力を信じることは、勇気を高める効果的な手段になり得る、と著者は言います。もちろんそういうものがあると言っているわけではありません。それは信じる人、信じない人の自由です。でも、全体的には、両者の間に差が出るらしい。

 結局勇気を発揮するには、不確実な未来に踏み込むことだから、論理的、統計的多数派の思考に乗っては何もできないことになるでしょう。これは経済や文化の予測が学者にはなかなか当たらないことからもわかります。
 うつ病の人は、実は健康な人より現実がよく見えている、という研究を聞いたことがあります(反論もありますが)。確かに、現実はつらいことばかりといえばその通りかもしれません。

 そこで、「人事を尽くして天命を待つ」というか、結局最後は神意やなんらかのエネルギーの作用に身を委ねようとするからこそ、勇気が出せるということはあるでしょう。
 クールな傍観者でいるより、いざとなったら踏み込む人の方がいいですよね。

 その章のまとめを転載します。

1 誰もが「魔術的思考」をしている
 人間には、生まれつき魔術的思考をする能力があります。魔術的思考は、不安や不確実性から私たちを守ってくれる、健全な認知作用なのです。

2 魔術的思考を利用する
 研究によって、幸運のお守りを持つことが、実際にパフォーマンス向上に効果があることがわかっています。お守りには、行動の意欲が湧かないときに、意欲を高める効果があります。

3 運を信じる人は、自信を高めやすい
 人によって、運をどうとらえるかの意見は異なります。運は単なる偶然の出来事だと考える人もいれば、運を何らかの意味のある、確かな現象だとみなす人もいます。後者のグループは、自信と行動意志を高めやすくなります。  p153

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