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January 23, 2015

「人生の意味の心理学」

 昨年のアドラーブームで、新刊ラッシュとなりましたが、ここで改めて古典というか、アドラー自身の本も含めて、基本となる文献も取り上げましょう。私自身は最近アドラー心理学について書き物が増えてきて、復習のためでもあります。

 アルフレッド・アドラー「人生の意味の心理学」(アルテ)は、アドラーの代表的著作とされています。1931年に出て、アメリカで当初相当話題になったそうです。
 日本でもずいぶん前に翻訳されていて、高尾利数先生の訳で春秋社から出されていました。私は80年代半ばにすでに接していました。こんなにアドラー心理学に熱心になる前の頃です。だから当時は全体像がよくわからなかったこともあって、アドラー心理学の登竜門的本とされてましたが、けっこう難しいと思い、通読に苦労しました。まあ、あの時代のものはフロイトもユングも読みやすくはないよな。 

 近年になって岸見一郎先生が改めて訳出したのが出ています。今回岸見訳の上巻を初めて読んだのですが、訳文も明快だし、この年になって理解力が進んだこともあって、昔よりスッキリと入ってきました。
 初めて接する人には、いまどきの論文の形式ではないので、分かりにくいかもしれませんが、多少でもアドラー心理学を学んだことがある人なら、含蓄があって面白いと思います。

 冒頭はアドラーの立場を語る(そのスジでは)有名な言葉。

 人間は意味の領域に生きている。われわれは状況をそれ自体として経験することはない。いつも人間にとって意味があるものだけを経験するのである。われわれの経験は、その根源において既に、人間的な目的によって規定されている。  p8

 アドラー心理学的には、「認知論」とか「現象学」と呼ばれるところですが、後の認知療法などの先駆けであることがわかります。しかもそれが「目的論」と不可分であることがアドラーらしいです。

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