「アドラー“実践”講義 幸せに生きる」
アドラーブームはもう去ったでしょうが、着実にアドラー心理学が浸透していく際の基本図書になるでしょう。
向後千春著「今すぐ人生に利く アドラー“実践”講義 幸せに生きる」(技術評論社)
昨年末に出て、とても評判がいいですね。早稲田大学オープンカレッジの講義が元になっているので一般向けにわかりやすいのですが、さすが心理学者、教育工学者だけあって、そのわかりやすさは十分に練られて構成されたものであることが感じられます。
内容は私のような者にはおなじみですが、語り口や組み立て方に新鮮さを感じ、とても面白かったです。
特に「最優先目標」というその人の人生目標を探るための質問紙がついているのがお得です。是非、これをやってみてください。自分の人生のかじ取りが上手くなると思いますよ。
そして、一般向けにやさしいだけでなく、心理学やカウンセリングプロパーの人たちの疑問にも応じるように、向後先生の見解が述べられています。
例えば「アドラー心理学は科学なのか?」という疑問にこう答えています。
この本では、私たちが生きている意味への回答のひとつとしてアドラー心理学の考え方を提示しました。もちろんそれは「仮説」にすぎません。しかし、現実の生活の中でそれをよく検討して、もしそれでうまくいくのであれば、それを採用するというのが、「科学的な態度」です。アドラー心理学は、人間の現実の生活に役立つ「科学」であると主張したいと思います。p184
私もこれが最も妥当な考えだと思います。
そんな向後先生が、私たちが作った日本臨床・教育アドラー心理学研究会で講義をしてくださいます。
3月1日(日)、文教大学です。是非、ご参加ください。
申し込みHP 日本臨床・教育アドラー心理学研究会第5回大会
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