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May 15, 2015

「街場の共同体論」

 GW中に読んだ本に内田樹先生の「街場の共同体論」(潮出版社)があります。共同体感覚を掲げるアドラー派の立場からも、武道家の端くれの立場からも、興味深い話ばかりでした。

 家族、教育、格差社会、師匠と弟子など様々なトピックがあり、そのどれもがわかりやすく説得力があるので、思想家にしてこれほど人気があるのもわかる気がします。

 私はこれから、親御さんや教育関係者への講演が控えているので、「少年犯罪が増えているというのは嘘である」「親子の関係は、今も昔も疎遠である」「武道必修化の勘違い」といった言葉がよかったですね。常識を棚上げにしたり、ひっくり返すときのネタとして使えます。

 心理学者や社会学者は以前から言っていましたが、「少年犯罪は増えていない」「少年は凶悪化していない」「有害図書もポルノビデオもエロサイトも性犯罪と関係ない」ことは統計を見れば明らかです。にもかかわず、政治家もマスコミも「問題だ問題だ」の大騒ぎは、どうかしているわけです。いや、きっと彼らの利益になる「目的」があるからに決まってます。

 少年の凶悪犯罪の発生件数が一番多かったのは1950年代末から60年代はじめにかけてのことです。僕が子供の頃です。その頃が殺人も強盗も一番多かった。性犯罪も多かった。強姦件数は60年代半ばがピークです。発生件数は、現在ではその当時の六分の一以下まで減少しています。 p20

 そんな感じで、今日本という共同体は「どうかしている方向」に向かっているのではないかという、内田先生の警鐘です。
 まえがきから。

 はっきり申し上げますけれど、今日本で進められているさまざまな「改革」は、あと何十年かすれば(できればあと何年かのうちにそうなればいいのですが)、「あんなことしなければよかった」と、みんながほぞを嚙むようなことばかりです。「あんなことしなければよかったこと」だけを、官民挙げて選択的に遂行しようとしている。そのことに僕はほとんど驚倒するのです。外交も内政も、経済政策も教育政策も、ほとんどがそうです。 p3

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