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June 25, 2015

「ラケス 勇気について」

 拙著「アドラー臨床心理学入門」(アルテ)は、堅調に出ているようです。ある支援団体で、勉強会で使いたいという話もいただきました。ありがたいことです。

 アドラー心理学といえば、勇気、勇気づけですが、人類は歴史の初めから勇気の重要性について気づき、論じてきました。最近改めて、研究というと大げさですがいろいろな文献に当たっています。

 歴史上おそらく最初に勇気についての考察したのは、やはり大哲学者、プラトンです。

「プラトン対話篇 ラケス 勇気について」(三嶋輝夫訳、講談社学術文庫)は、勇気とは何ぞやというテーマを、ソクラテスとギリシア市民たちが論じ合うという物語です。ラケスとは登場人物の一人です。登場人物は、息子の教育のために勇気が必要ではないかと思ったのが、議論の始まりなのが、アドラー心理学とダブって面白いです。

 ソクラテスは、勇気は単なる戦闘行為ではなく、「心をできるだけすぐれたものとすることを目指す教育全体である」と説きます。まさに勇気づけ教育の先駆けです。

 さらに興味深いのは、本書でソクラテスは、「われわれは勇気を発見しなかった」とし、「勇気についての無知の知」が確認され、さらなる探求の必要性を確認し合ったところで終わっています。
 ソクラテスらしいというか、勇気の研究の難しさを早くも指摘しているかのようです。

 薄くてあっという間に読めるので、哲学書とかまえることなく楽しむことができます。

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