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July 05, 2015

「崩れゆく世界 生き延びる知恵」

 沖縄の新聞をつぶせと叫んだ百田尚樹氏に同調する安倍内閣・自民は大丈夫なのか、「こいつらのオツムはどうなっているんだ」という不安を持つ人も多いでしょう。あまりにもレベルが低い。

 そういう昨今の指導者層のレベルの低下とそれに同調する人々の傾向を、最近は「反知性主義」と呼ぶようです。

 当代最高レベルの知力を持った2人の対談本、副島隆彦・佐藤優「崩れゆく世界 生き延びる知恵」(日本文芸社)は、蔓延する反知性主義の空気を厳しく指摘しています。

佐藤 私は「反知性主義を」に暫定的な定義を与えています。それは「実証性、客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」というものです。要するに「株価が上がれば経済がよくなる」みたいな態度です。 p34

佐藤 安倍さんがなぜアベノミクスに踏み切れたかというと、それは基礎教養が極めて弱いからですね。
副島 まあ、そうでしょう(笑)。もともと最初から悩みが少ない人でしょうから。
佐藤 やりたいことも悩みもないですね。だからおじいさん(岸信介)の無念を晴らすという意識だけは強い。しかし死んだ人の無念というのは、実際はわからないですからね。死者に仮託して語るというのは、そもそも禁じ手です。 p35

 佐藤氏は「安倍政権はコンビニの前でウンコ座りしている、暴走族みたいな雰囲気ですよ」とまで断じています。

 ただ悪口を言っているわけではなく、博覧強記といえる教養と、外交や政治や官僚の裏を知り尽くした2人の話は、実に面白い。決めつけや断定ばかりの反知性主義とは反対で、ものごとの構造を炙り出したり、別の意味を見出す楽しみが本書を読むことによってあるからだと思います。そこが新聞などの単なる時局、政局の情報と違うところです。こういうのを知性というのでしょう。

 今世界で起こっていることを探るのに好著です。

 

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