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July 01, 2015

アリストテレスの勇気

 前々記事のプラトンに続けるとすればやはり、アリストテレス。

 アリストテレスも人間の重要な徳として知恵、節制などと並んで勇気を挙げました(と高校の倫理社会で習った気がする)。

 ある論文では、アリストテレスの勇気は「軽率(harshness)と臆病(cowardice)の中間にあるもの」と表現されています。

 アリストテレス「ニコマコス倫理学(上)」(高田三郎訳、岩波書店)では、 「『恐怖』ならびに『平然』に関しての中庸である p137」と勇気を定義しています。ちなみに同書では勇気の原語の「アンドレイア」を「勇敢」と訳しています。

 初めて同書を読みましたが興味深いのは、アリストテレスは「こういうのは勇気ではない、こういうのはちょっと違う」と似たような概念や考え方、態度を検討しながら話を進めているところです。まさにあれこれ中庸の道を探っているような感じです。

 その中で恐れを知らないのは勇気ではないし、やたら楽観的なのも違うといっています。そして、

 かくて、然るべきことがらを、然るべき目的のために、また然るべき仕方で、然るべきときに耐えかつ恐れる人、またこれに準ずるごとき仕方で平然たるひとが勇敢なひとにほかならない。けだし、ことがらの値するところに応じ、ことわりの命ずるであろうような仕方で、情感し行為してこそ勇敢なひとなのである。 p141

 といっています。そしてその行為は価値ある目的(同書では「うるわしさ」)に向かっていなければらないとしています。

 アドラー心理学の勇気の原型的思考があるように思えます。

 ギリシア哲学は根源的な概念をいろいろ考察していて、けっこう面白いです。私的には高校時代の社会科の授業や哲学に惹かれていたころを思い出して、少し懐かしい感じもしました。

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