科学からコスモスセラピーへ
前々記事で岡野守也先生のコスモス・セラピーのことを書きましたが、この機会に少し紹介します。
岡野先生によると、今の人、子どもは20世紀の科学の到達点を学校できちんと教えられていないそうです。20世紀までの「近代科学」と20世紀以降の「現代科学」は大きな飛躍があるのに、学校教育ではそれを教えることはできていない、むしろ教えないようにされているといいます。
近代科学は「全てはモノに過ぎない」という世界観です。しかし現代科学ではそれはある程度までにしか当てはまりません。
「現代科学」では、「すべてはモノにすぎない」というコスモロジーは決定的に克服されているのです。私の考えでは「現代科学」(の大きな合意ライン)を結ぶと、もうニヒリズムに陥っていられなくなります。(ワークショップ資料より)
興味深いと私が思ったのは、「科学の最先端」ではなく、「現代科学の合意ライン」を基に、新しいコスモロジー、世界観を提出していることです。最先端はまだ新米の仮説で、いつ書き換えられるかはわからない、でも多くの科学者が合意できるところは20世紀が過ぎたところで既にいくつかある、その確実なラインからでも十分に、ホリスティックでスピリチュアルな世界観を持つことができるというところです。
これは新しい科学教育、あるいは道徳教育(というのが正しいかわかりませんが)になり得る可能性がある、ということだと思います。
岡野先生が挙げる「現代科学の主要な5つの学説」を挙げます。
・アインシュタインの相対性理論により、宇宙は究極のところ物質というよりエネルギーからなっていることが明らかにされた。1905年~
・ガモフのビッグ・バン仮説。これは現代宇宙論の標準仮説で、だとすると宇宙はもともと一つのエネルギーの玉だったことになる。1947年~
・プリゴジーヌの散逸構造論がノーベル賞。物質の自己組織化能力が明らかになった。1977年~
・ワトソンとクリックの遺伝子の二重らせん構造の発見。1962年にノーベル賞受賞。以後の研究により、すべての遺伝子が一つの源泉にたどれるようだと考えられるようになった。それはすべての生命の一体性を意味する。1953年~
・ヘッケルによるエコロジー(生態学)の提唱から始まり、20世紀全体をとおして、地球上ではすべての非生命・環境とすべての生命が互いにバランスをとりながら一つのシステムをなしてることが明らかになってきた。1869年~ (ワークショップ資料より)
科学の筋から外れずに、大きな肯定的なコスモロジーを描こうとするコスモス・セラピーに注目です。学びたい人はサングラハ教育心理研究所へ。
なお岡野先生はアドラー心理学の造詣も深く、入門書を翻訳したり、「仏教とアドラー心理学」という興味深い本も書いています。本ブログでも以前紹介させていただきました。
アドラー心理学が一般に知られるようになって、その面白さや有効性を知ったら、さらに深いところ、思想的、宗教的領域との関わりを考えるときには必読です。
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