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January 06, 2016

『水のごとくあれ!』

「水のようになれ」とは武道、武術の教えでよく聞かれる言葉です。宮本武蔵も『五輪書』で言っています。

 水は融通無碍であらゆる器に適合し、なおかつ決して弱くはなく、すべてを飲み込む大きな力を生むこともできます。武術もやわらかい水の如く動かなければならないとされています。太極拳などはまさに長江の如く、ゆったりとした水のイメージで動くといえます。

 正月はアメリカ人の武術家でポジティブ心理学と心身医学の博士号を持つという著者による、武術哲学の解説・極意書とでもいえる本を読みました。

 ジョセフ・カルディロ著、湯川進太郎訳『水のごとくあれ!~武術の「実践知」と「エナジー」を使いこなして」(BABジャパン)は、アメリカ人らしい率直さと武術への深い愛情を感じさせる内容で、好感を持ちました。

 著者はアメリカケンポーカラテ、太極拳、詠春拳、カリ、ドゥモグの師範として、アメリカでは数多くの著書やセミナーで活躍しているそうです。筑波大の心理学者、湯川先生の訳なので、いい加減な人ではないでしょう。

「武術はマインドフルネスと慈悲を練る道具を提供し、練られたエナジーを人生へと転送、変換します。私たちは誰でもこれを実践できます。 p254」

 という視点で、心理学の知見と瞑想(マインドフルネス)と気(エナジー)をうまく融合させていて、解説だけでなく、武術の知恵を実感し使えるようになるためのいろいろなワークも紹介しています。自分の研修やワークショップなどでも使えそうで、参考にしたいです。

 最近訳者の湯川先生も空手や太極拳と心理学を絡めた発言をしているけれど、なかなかここまでこなれた表現をする日本人武道家兼学者はいません。こういうところも参考にしたいですね。

 

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