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February 03, 2016

愛着か集団保育か

 昨夜NHKの「ママたちが非常事態?最新科学で迫る日本の子育て」を観ました。脳科学から母性について明らかにしたというとても興味深い内容でした。
 
 赤ちゃんが体内にいる間放出されていたエストロゲンが、出産後急激に出なくなり、母親は不安を感じるようになって、人に頼りたくなる、そこから本来子育ては母親一人でやるものではなく、集団で行うことが重要であるという話でした。いわゆる原始的生活をしている民族は自然にそれができているのに、現代人は核家族化で母親が孤独に子供と向き合わざるを得なくなるのが、非常に問題です。
 
 他にも前頭前野の発達に伴う我慢の実験(これは発達心理学の実験として知っていた)とか,母親のイライラの原因とかあって、カウンセリングのネタとしても使える内容でした。実際、今日の子育て支援機関に出向いたカウンセリングで、クライエントのお母さんとこの番組の話で盛り上がりました。
 
 集団保育の必要性はもっともで、アドラー心理学的には共同体感覚の発達(子どもにも養育者にも)につながるところだと思います。
 
 ただ、発達心理学では昨今盛んに「愛着」が強調されます。特定の人との情緒的絆のことですが、健全な発達にはそれが決定的に重要だといいます。
 
 一見、集団保育の重要性と愛着は相反するようにも見えます。おそらくどちらも正しいのでしょうけど、ある範囲に適用できる学説が広がって一般化されすぎることがよくあります。「三歳児神話」とか「母性神話」はフロイト学説や愛着の行き過ぎでしょうし、イスラエルのキブツのようにいきなり集団に放り込むのもどうかという気がします。
 
 結局子育てに関する永遠の問いであり、最近の発達心理学者はどう整理しているのか知りたいと思いました。

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