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May 10, 2016

『コミュニティー・アプローチの実践』

 アドラー心理学とは何か、という問いを考えたとき、臨床心理学とか教育心理学とか力動心理学の一つとか、いろいろあるのですがそれらを含んで、最近はコミュニティー心理学である、というのが正しいと思うようになりました。
 
 その理論のわかりやすさ、包括性による、専門家から一般の人に至るまで幅広い職種、立場の人が学び実践していること、そのために大学や大学院とかの学歴や資格にこだわらず誰にでも学べる機会が民間主導で開けていること、実際にアドラー心理学を広めているのは主婦や自己啓発に関心のあるサラリーマンなど一般の人が中心であることなど、コミュニティーに浸透することを目指し、コミュニティーで活かす心理学であることが明らかだからです。
 
 コミュニティー心理学の権威がアドラー心理学との統合を目指したのが、箕口雅博編『コミュニティー・アプローチの実践~連携と協同とアドラー心理学』(遠見書房)です。
 
 箕口先生はコミュニティー心理学の研究の傍ら、星一郎先生の下でアドラー心理学を学び、長年コミュニティー心理学とアドラー心理学の統合を目指してこられたようです。
 
 本書は箕口一門によるその実践・研究報告書という趣です。
 
 実に様々な分野の人が分担執筆しています。たくさんありすぎてあげきれませんが、教育相談所、スクールカウンセリング、子ども家庭支援センター、児童相談所、児童自立支援施設、母子生活支援施設、乳児院、大学学生相談など多岐にわたります。宗教トラブル(カルト問題)もあります。アドラーとコミュニティーをやる人がこんなにたくさんいるんだと驚くくらいです。
 
 児童相談所や総合病院にいた私には、共感できることが多々あり、同志的意識を持ちます。
 
 中でも以前から懇意にさせていただいている浅井健史先生が大活躍で、星一郎先生と箕口先生との鼎談を取り仕切っていたり、本書の後半でアドラー心理学とコミュニティー心理学を比較し、統合のための論文を載せています。
 両者に関心のある方、アドラー心理学の専門的実践のあり方を考える人には必読書になるでしょう。
 
 

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