アドラー心理学は「目的論」「優越性追求」「勇気づけ」などの言葉があるので、非常に前向きにガンガン進む人向きと思われることがあるようです。
できるビジネスマンや元気ママ、イクメンパパ、熱血教師がやるものというイメージかもしれません。
「トラウマは存在しない」というコピーの本が大爆発して売れた影響もあるかもしれませんね。でも『嫌われる勇気』の中身をちゃんと読むとそこまでは書いていないはずです。
しかしアドラー心理学の概念や考え方は「健やかなる者にも病める者にも」平等に当てはまります。どんな人も、その人なりに追及している目的があり、劣等感があり、その人なりの共同体感覚があり、勇気づけが必要だからです。
ただ、確かに世に出ているアドレリアンは元気な人が多く、仕事や家庭生活にフルに頑張っている人が目立つので、そうではない生き方を選択している人には居心地が悪いと感じるかもしれません。
また、ムーブメントとして熱心にやっている人達の「実践」とか「自己点検」なんて言葉にも、宗教臭さや気色悪さを感じる人がいます。
さらに、カウンセリングや治療に来るような心がダウンしてしまった人たちには、アドラー心理学はしんどく、冷たく見えることもあるようです。これらのようなことが要らぬ反発を招いているなら、お互い不幸なことですね。
そこで、そんなアドラー心理学に関心があっても乗り切れない人、そんなに頑張った生き方をしたくない、みたいな人が心地よくいられるダメンズアドレリアンの会というのを作りましょう。
合言葉は「めんどくさい、でもちょっとは○○するか」
○○には協力とか家事とか子育てとか仕事とか、その人が属する共同体のためにできる何かです。
モットーは「思いっきり不完全でいる勇気」
元気印アドレリアン、模範的実践家アドレリアンの10パーンセントほどに満たなくても、「私はアドレリアンじゃ」と宣言しちゃいましょう。
そして、最小限の共同体感覚で最大限の貢献を目指します。
「どうせ俺なんかダメなんだ」とか「かわいそうな私、悪いあの人」といった劣等コンプレックスを使わず、今の不完全さは自分の選択であるという自覚さえあればいいのです。要するに開き直りですが…。
実は何を隠そう私もダメンズの一人です。
基本、生きるに必要な最低限のこと、好きなこと以外何もやりたくないし、若い頃、バブルの最中なのにどうしても就職したくなくて身近な女の子に、
「俺、お前のヒモになりたい」
と愚痴って、メチャクチャバカにされた口です。
でもやりたいことだけを優先してたら、今はすごく仕事熱心です。
アドラーが言ったように、人は変われるのですね(説得力ないか)。
ダメンズアドレリアンの会は、アドラー心理学の「最優先目標」的に言うと、「安楽」を人生目標にしている人がメインターゲットです。「己が楽をするためならどんな苦労もいとわない」というタイプですね(詳しくは向後千春著『人生の迷いが消えるアドラー心理学のススメ』)。
私は本来これのようです。
問題は、いざ会を設立して大会とかを開こうとなっても、みんな「めんどくさいからいいや」と誰も動こうとしないことですね…。
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