昨日、21日(日)は、東京・神楽坂の
ヒューマン・ギルドに行き、「ストレス・マネジメント講座」を受講してきました。
20世紀以降の心理学の膨大な概念の中で、最も一般の人々に浸透したのは、アドラー心理学の「劣等感」とこの「ストレス」だと私は常々思っています。それだけ現代人にフィットするのでしょう。
私は地元で保健所などの依頼を受けて、企業や団体でメンタルヘルスの研修会講師をすることが時々あるので、そのネタの仕込みが目的でしたが、その目的は果たされました。
講師の大森哲至先生(心理学者、博士、大学講師)は6時間にわたって、ストレス研究の歴史、アプローチ、現代社会とストレスなどについて詳細な講義をしてくださいました。
私もストレス学との付き合いは長いのですが、ただの話のネタでしかなく、知っているようであいまいなところがあったりするので、最近の動向を知ることができてよかったです。
講師の大森先生は巨体ですが「気はやさしくて力持ち」というか、災害心理学がご専門だそうで、日本や世界の被災地を巡り歩いているだけあって、人当たりが本当に柔らかい人で、こういう研究者がいるんだと感心しました。
講義に出たストレスの定義は、 「自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるもの」です。
ストレスを単に嫌なもの、辛いものととらえるより、ずっと本質的です。確かに自分にとってどうでもいいものは、ストレスとは感じないでしょうからね。大事なもの、期待しているものがうまくいかないから、自律神経や心理的反応が生じてストレスと感じるのでしょう。
アドラー心理学的にはストレスとは、ライフタスクとほとんど重なると思います。
その昔、ストレスという言葉を提唱したハンス・セリエ(アドラーが亡くなるころ研究をしていた人)は物理学のメタファーを使って発想したのでした。それによって外力に対する反応という形式で理論化したので、生理学的研究がしやすくてストレス研究が発展していったのでしょう。
アドラーの場合は、ライフスタイルとライフタスクの関係性というややこしいというか、個別的な動きの方を重視したといえます。
また講座の最後の方で、最近ストレス学でよく出てくる「レジリエンス」は、アドラー心理学の勇気とほとんど同義であることが、ディスカッションで出ました。私もそう思います。
「レジリエンスが高いと勇気が出やすい」とか、「勇気のある人はレジリエンスが高い」という言い方はできそうですが、実際は同語反復かもしれません。
アメリカのポジティブ心理学のテキストでは、勇気の要因にレジリエンスが入っていたのを見たことがありますので、これからの研究課題になるかもしれません。
いずれにしてもストレス学は現代人の基礎教養ですから、一般の人もヒューマンギルドみたいな場所でしっかり学ぶといいと思います。
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