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September 08, 2016

合気道と心理臨床学との接点

 7日(水)はかねてからお知らせしていた通り、パシフィコ横浜で開かれた日本心理臨床学会の自主シンポジウムにシンポジストとして参加しました。
「合気道と心理臨床学との接点」という、なんとも珍しいテーマ。
 知人の臨床心理士にして合気道家の掛井一徳先生の企画により実現しました。私は知り合いのよしみで呼んでいただいたのです。
 
 学会最終日の午後、普通ならみんな早めに家路につくか、横浜で遊ぶかするところ、テーマも極めてマニアックなので、誰も来ないんじゃないかと思ったら、30人も来てくれました。
 
 まず、掛井先生の企画趣旨説明と話題提供。
 合気道開祖、植芝盛平翁と掛井先生のやっている富木流合気道の紹介。
 なぜ、合気道と心理臨床が本質において通じ合うのかを論じていました。
 
 その後、なかおよしき先生(福井県スクールカウンセラー)の「学校臨床を戦術的に見立てる~空間定位の心理学という試み(2)」という話題提供。
 なかお先生は哲学科のご出身らしく、孫子の兵法と宮本武蔵などの兵学書と環境心理学とシステム理論を駆使して、教室での子どもや先生たちの動きをどう見立てるか、けっこう抽象的で高度な話をされました。でも難解なことをおもしろく語れる人みたいで、キャラクター共々楽しませてもらいました。
 
 しかもなかお先生はなんとマンガ家でもあり、学会員の人は『心理臨床の広場』という心理臨床学会発行の雑誌で四コマ漫画を描いている人といえばわかるかもしれません。
 古武術研究家の甲野善紀先生から学んだ人ですが、この後の二次会で聞いたらメチャクチャ高名な武道家、格闘家たちに会い続けている稀有な人だと判明。すごいインパクトの人でした。
 
 そして私が「太極拳と心理臨床」として、テーマの合気道ではないけれど、合気道と共通要因の多い武術として太極拳の紹介。今回のシンポの奥行きを与える役回りと思ったので、武術としての太極拳の説明と自分が得た体験、私から学んだクライエントさんの体験談のお話しをさせていただきました。
 
 最後が指定討論者の津川秀夫先生(吉備国際大学)の指定討論。
 津川先生はブリーフセラピーやエリクソン催眠の名手として知られていますが、実は若い頃から様々な武術を修行され、現在岩間流という、合気道の古くディープなところで研さんを積まれています。
 
 津川先生は「合わせ(ペーシング)」と「ずらし(リーディング)」が合気道と心理臨床の重なるところであると事例を交えて説明され、その他臨床上非常に重要なポイントをお話しされました。さすが、とても勉強になった。
 
 多分、これを読んでる人は、内容が何もわからないと思いますが、もし機会があればご本人に聞くか、次の機会を狙ってください。
 
 うれしいのは、シンポ終了後、「私も合気道やっています」「イギリスで太極拳をやったことがあります」といった武術家兼臨床心理士が何人も私たちのところに来てくれたことでした。ある大物家族療法家も来ていて、「とても面白かった、是非これを続けてほしい」とコメントしてくれました。
 
 けっこういけるテーマかもしれません。
 あるいはこれで何か本が書けそうです。
 
 芸は身を助く、と言いますが、私としては道楽のような好きなことで学会で話ができて感無量でありました。
 そして、武術を通すと、学派やアプローチの違いを超えて対話ができるのが何よりいいですね。
 

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