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October 04, 2016

真田家の家族布置

「真田丸 第39話歳月」は、九度山の田舎暮らしの信繁一家でした。ようやくいろいろなものがなじんで一家がまとまり、これからのんびりとした穏やかな生活になるかと思われた時、大阪から使者が…。一家はとんでもない大嵐に巻き込まれていく予感がして、観る者には今の幸せが切なく感じられます。
 
 前回亡くなった昌幸の毛皮を羽織る信繁、秀吉時代の大坂城でのコスプレパーティーで昌幸がやろうとした瓜売りのパフォーマンスがそばがき売りで再演されたり、昌幸ロスで老け込むかと思われた家老・高梨内紀など、そここに昌幸の存在感が感じられる演出でした。
 特に兄信之に「元気がないのではないか」とまで心配される長男・大介に囲碁の教えを乞う信繁がいい。その二人を見守るショットが昌幸の場所というのも、世代の移り変わりなど示唆して、印象的でした。
 
 大介には、まるで不登校・引きこもり系の男の子の雰囲気を私などは感じてしまって(大介役の少年、いい演技でした)、こんな感じで息子と向き合うとよいのかもと、全国のお父さんに伝えられたかもしれませんね。
 
 それにしてもやけに女性にもてる割に(だからこそか)、女性の扱いと子育てがまるでなっていないダメンズ信繁に、同じダメンズアドレリアンとして共感してしまいました。私はあんなにもてないけど。 
 
 ドラマの冒頭で、訪ねてきた信之と信繁が酒を酌み交わす場面で、子どもの頃お互いの境遇をうらやましがっていた、という場面がありました。長男信之はのびのび育った次男信繁を、父昌幸の愛情が注がれてうらやましく思い、信繁は兄をいつも父親に目をかけられて自分はほったらかしだったと言っていました。
 
 これはアドラー心理学の家族布置の「きょうだい競合」が典型的に現れたといえます。家族布置は欧米の核家族がモデルかもしれませんが、役割と価値観が明確な昔、前近代も同じような感覚があってもおかしくはありません。
 
 ちなみに父昌幸は真田家の嫡男ではなく三男なのは歴史好きには良く知られています。
 嫡男信綱と次男昌輝もとても優秀で、武田24将の中に数えられるほどでしたが、長篠の戦で戦死してしまいました。そのため既に武田家のエリート武将で、名門武藤家を継いでいた昌幸がやむを得ず後を継いだと言われています。
 
 だから昌幸は家のプレッシャーを受けることなく、武田家の英才教育を受けて、天才的な直観力を伸ばしたのかもしれませんね。ルックスはともかく、昌幸は草刈正雄さんが演じるような、謀将といわれる割に明るいイメージがあると多くの人が言っています。同じような陰謀家タイプでも毛利元就や黒田如水、本多正信とは何となく違うのではないでしょうか。
 
 家族布置というのは、時代を超えていろいろなところで人間理解のために使えると思います。
 
 家族布置について詳しく知りたいなら、下の拙共著をお勧めします(宣伝)。
 
 

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