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November 01, 2016

『学校コンサルテーション入門』

 カウンセラーという職種の中で、今や最も多いのはおそらくスクールカウンセラーではないでしょうか。病院や公務員の心理士、臨床心理学者を軽く凌駕しているような気がします(兼務している人も多いですが)。
 
 スクールカウンセリング制度が21年前に導入されてから、それまで日本において主流だった精神分析学やロジャーズ派はどうも学校現場ではフィットしにくいと感じる人が多く、近年は解決志向ブリーフセラピーや家族療法、認知行動療法を取り入れる人が増えてきているようです。
 
 その中で私としては、アドラー心理学は、非常にスクールカウンセリングにフィットするという思いがありました。ただ学者も臨床心理士の誰もそんなことは言っていなかったし、日本のアドレリアンを称する人たちもスクールカウンセリングについて公に発言してこなかったので、「では、仕方ない。自分がやるしかないか」と腹を決め、僭越ながら仲間と出版させていただいたのが『アドラー心理学によるスクールカウンセリング入門』(アルテ)でした。
 幸いこの類の本の割にしては売れたようで、現在2版が出ています。
 
 同書にもありますが、アドラー心理学は個別のカウンセリングでももちろん使えますが、実はコンサルテーションでとても使えるのです。
 
 だからコンサルテーションをするスクールカウンセラーには是非知っていただきたいのですが、実は主にアドラー心理学に基づく学校コンサルテーションの本が出ていました。
 
 
 著者の何人かはアメリカのアドラー派の人だと思いました。
 本書には随所にアドラー心理学の考え方、技法が紹介されています。
(貼り付け始め)
 
 コンサルテーションに応用できるアドラー派の理論の鍵となる原理は、以下のことを含む。すなわち、
 
・コンサルタントとコンサルティの対等性
・勇気づけ(p23参照)
・尊敬
・誤った行動の目的(p24参照)
・論理的結末(p25参照)
・家族の雰囲気(p25参照)
・クライエント(子ども)とコンサルティ(保護者、教師、管理職)の信頼
 
 アドラー派の理論は、教育を提供すること、保護者や教師を訓練すること、情報と認識を共有することを強調する。アドラー派の理論で訓練を受けた教師は、民主的な学級をめざして努力する。彼らは、子どもの誤った行動の目的を見つけ出すことができる。彼らは賞讃よりも勇気づけを用い、罰の代わりに論理的結末を用いる。 …(中略)… アドラー派の文献は、教室や家庭の状況をどのように解決すればよいか教えてくれる。  p13-14
 
(貼り付け終わり)
 
 アドラー心理学のほかに、「認知行動派、行動派、現実療法、解決志向アプローチ」を学校コンサルテーションに有効な理論的アプローチとして紹介しています。
 
 スクールカウンセラーや教育相談に携わる方は、是非参考にしてください。
 

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