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December 28, 2016

野生の心理学

 アドラーも取り上げてくれたNHKEテレ「100分de名著」、今年最後は人文科学界の超大物、レヴィ=ストロース『野生の思考』でした。私は4回すべて視聴しました。
 
 案内人は山梨出身、高校の大先輩でもある中沢新一氏(明治大学野生の科学研究所所長)。
 長年のファンとして本ブログでも時々取り上げますし、今年は偶然地元で見かけて、いきなり道端でご挨拶させていただいたこともありました。 中沢新一先生に出会う!
 
 レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯』しか読んだことがなかったのですが、中沢氏のとても魅力的な紹介で読んでみたくなりました。やはり古典には触れないと。
 
 ところで番組とあまり関係ありませんが、以前から思っていたのですがこれを観て、「アドラー心理学って野生の心理学だなあ」と改めて思いました。
 
 アドラー心理学はほとんどの臨床心理学派のルーツでもあり、直接間接に明確な影響を与えながらも、アカデミックな心理学との関係が薄く、広く世間の生活の中で一般の人たちに実践されてきたこと。
 
 レヴィ=ストロースがいうようにアマゾンの先住民はけして未開で未熟な思考をしていたのではなく、現代人と同じく高度な数学的思考を駆使していたように、アドラー心理学を実践することは科学的とされる認知行動療法やポジティブ心理学など現代心理学を自然に実践するのと同様の行為になること。
 
 先住民と同じく、その高度な心理学的実践は日常の中で使われるので、抽象的な概念の操作ではなく、中沢氏のいう「具体の科学」といえること。
 
 そしてレヴィ=ストロースのいう先住民の「プリコラージュ」(ありあわせの道具材料を用いて自分の手で物を作る)は、まさにアドラーのいう「使用の心理学」「大切なのは何を持つかではなく、持っているものをどう使うか」という精神と通じること。
 
 どうですか。
 
 先住民の神話や呪術というところは神話を大事にするユング心理学とつながりやすいと思う人もいるかもしれませんが、レヴィ=ストロースはユングは特に意識していなかったと聞いたことがあります。中沢氏は河合隼雄氏と仲良かったみたいですけど。
 生々しい生活の中で生きる「野生の思考」は、アドラー心理学の方が近いかもしれません。勝手に私が思っているだけですけど。
 

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