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December 09, 2016

『マインドフルネス入門講義』

 今や心理療法界も武道界も大注目のマインドフルネス瞑想ですが、最も良質で専門的な本があります。
 
 
 臨床催眠、マインドフルネスの世界的権威で、長くアメリカで活躍していた大谷先生が、日本人臨床家向けに懇切丁寧に説明しています。
 大谷先生は前記事にある通り、先日のトラウマ治療のシンポジウムに登壇していました。専門性の高さと同時に自らも熱心に仏教瞑想を修行している先生に私最近、隠れ追っかけファンです。
 
 本書で、仏教とマインドフルネスがアメリカに受容される歴史から、ニューロサイエンスによる瞑想中の脳の知見、第三世代の認知行動療法と言われる潮流の中にいかにマインドフルネス瞑想が入っているかなどが詳しくわかります。
 
 私的にはアメリカの仏教受容の過程のところで、その昔トランスパーソナル心理学の吉福伸逸さんから教わったことが思い出されて、懐かしかったです。
 本書にも出てくるチベット仏教をアメリカに伝えたチョギャム・トゥルンパ師のところへ、私の先輩が渡米してその寺に入っていました。今も修行をしているみたいです。うらやましかったですね。自称瞑想ジャンキーの私もちょっと選択が違って帰郷しなかったら、今頃西海岸辺りに渡って、禅センターかエサレン(有名なセラピーセンター)にでも入り浸っていたかもしれません。
 ちなみにオートポイエーシス(自己組織化)で有名な認知科学者フランシスコ・ヴァレラもトゥルンパ師の弟子らしいです。
 
 それはともかく本書では、マインドフルネスを本来の「ピュア・マインドフルネス」と「臨床マインドフルネス」に分けています。
 最近はマインドフルネスがあまりに社会に浸透した結果ビジネス的になったと、ピュアマインドフルネスの人たちから苦言を呈されることもあるようです。わかる気もしますが、それだけ少なからぬアメリカ人が熱心に学び、有効な方法と認めたということでしょう。
 
 臨床マインドフルネスとしては、情動調整、ストレス対処、うつ、不安、疼痛、薬物依存、パーソナリティー障害などへの適用について論じられています。
 
 マインドフルネス瞑想を臨床やカウンセリングで使うセラピストには、必須の基本文献です。
 

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