一部で話題となりながらもメジャーな映画館で上映させてもらえない
『スノーデン』を観てきました。笛吹市の
テアトル石和という小さな映画館です。
オリバー・ストーン監督作品、『ブラトーン』や『JFK』で知られる社会派名監督ですが、本作はハリウッドの映画会社みんなに出資を断られた苦労作のようです。それだけやばさがハンパないはずと期待して行きましたが、十分に応えてくれるものでした。
アメリカが極秘に構築した個人情報収取プログラムはテロリストだけでなく、民間企業や個人におよび、日本を含む同盟国まで対象になっていた驚愕の事実。
この恐ろしい現実に危機感を募らせたスノーデンは、自由な世界を願い、たったひとりで国家権力に立ち向う決意を固めていく。
また、長年にわたってスノーデンのパートナーとして寄り添うリンゼイ・ミルズとのきずなも描かれ、観る者の胸を締めつける。 (パンフレットより)
スノーデンの人生を克明に追いながら、CIAやNSAの内部の様子が、おそらく丁寧な考証の下に再現されているのでしょう、すごくリアリティーがあって興味深かったです。スノーデンは2009年ごろ横田基地にもいたのですね。富士山に登る予定の前日、恋人と喧嘩して行けなくなった、なんてエピソードもあります。
既に報道されているように、アメリカはテロリストだけでなく自国民の個人情報も無断で収集し、世界中に監視網を作っていて、さらに驚くべきは、日本ではもし日本が同盟国でなくなったときに作動させる「スリーパー・プログラム」が仕掛けられていて、通信網やダム、交通機関をダウンさせることができるとスノーデンが暴露していることです。「裏切るなよ」と脅迫されているようなものです。何が日米同盟は対等なパートナーだ、という感じです。
オリバー・ストーン監督も日本について聞かれて、「僕は、彼が語ったことはすべて事実だと考えている」「僕は日本にはまだ主権がないのだという印象を持っている」とまで言っています。多分本当でしょう。
こういうことは当然トップリーダーたちは知っていて、小沢一郎や鳩山由紀夫は何とかその軛を脱しようとしてつぶされ、安倍首相は尻尾を振っているのでしょう
ただ、オリバー・ストーン監督にしてもスノーデンにしても、上から抑えつけられればすぐに従順になってしまう日本人と違って、必ず気骨のある人が現れるところが、アメリカにまだ残っている良さかもしれません。
その点で、二人やスノーデンを支えたジャーナリストたちは、国家に逆らってもより広い共同体のために動いたということで、共同体感覚と勇気のある人たちだと言っていいでしょう。
とにかく、権力側は監視しようと思えば、誰に対しても、何にでもできるということがわかりました。私もされているかも。
なんて気にしすぎるとパラノイアックな妄想になりそうですが、いつでも監視され得ることは現代人の社会常識として知っておきましょう。
対策として、権力に目をつけられないような悪いことをしない、という優等生みたいなのはダメです。
我々はどうせ、なんか偽善的な面、都合の悪いこと、恥ずかしいものは持っているものです。だからなんかバレても気にしない。
大体政府や権力者の悪口が言えないなんて、メンタルヘルスの専門家としてはよろしくないと言いたい。
その点、オリバー・ストーン監督の姿勢がリスク・コントロールとしていいですね(笑)。
(引用開始)
――これまでの社会的問題を扱う作風もあり、さらに今回のような作品を作ったことで、監督自身が監視対象になっていることを意識したことはないか。
僕はこれまでドラッグや女や酒、やれることは何でもやってきた(笑)。ただし、それを隠してこなかった。だから偽善はないし、監視する側が暴こうと思うのは偽善であったり隠していることだから、その点では僕は安心だ(笑)。まあ、監視されてはいると思うが。
(引用終了)
山梨の上映は明日(20日)までですよ。
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