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May 26, 2017

進化に生き残った自閉症

 今日、26日は身延町に行き、「山梨県看護協会峡南地区支部」の総会で、看護師、保健師さん約60人に「看護に活かすアドラー心理学」というテーマで講演をしました。
 
 短い時間の中で、目的論だの共同体感覚だのいってもわけわかんなくなるだろうから、今回は、劣等感と勇気づけに絞ってお話しさせていただきました。劣等感はみんな身に覚えがあるだろうし、勇気づけは看護の基本コミュニケーションになり得ると思うので、是非学んでほしいところだからです。
 ほとんどが女性のためか、皆さんノリが良く、ワークも楽しくやっていただけたようです。
 
 ところで、先日NHKスペシャルで発達障害の特集番組がありました。
 発達障害プロジェクト なんてのもやっているみたいです。
 
 番組では、感覚過敏に焦点を当てて、当事者の世界をわかりやすく再現していたと思います。けっこう参考になったのではないでしょうか。
 
 番組には専門家として、信州大学教授で前山梨県こころの発達総合支援センター所長の本田秀夫先生が出ていました。先生の山梨時代は、ケースを通して当オフィスと連携させていただいたので、ご活躍の様子でうれしかったです。
 
 ご著書も紹介したことがあります。
 
 その発達障害者特有の感覚の世界がなぜ存在するのか、生物学的にどういう意味があるのかを考察した、面白い記事があるので、リンクします。私が日ごろ思っていたことを生物学のニューロダイバーシティ(脳多様性)の考えからうまく説明してくれているからです。
 よかったらご覧ください。
 
 発達障害の過剰診断が問題になることがありますが、診断された人が他の疾患や障害に比べてあまりにも多くなったからです。けして多数派ではなくマイノリティーではあっても、そのボリュームは厚いといえます。中には不適切な診断もあると思いますが、どうしても多くなってしまう現実はあります。なぜなのか。
 
 本記事によれば、つまり発達障害は遺伝的に淘汰されなかったわけで、それは生物学的に意味があったのだろうということです。私もそう思います。そして自閉症とそうでない人たちが協同し合ってきたことが歴史を作り、今日の人類文明の発展に至ったと考えられます。
 
(転載はじめ)
社会がこれほど産業化する以前の人類の生活を考えた場合、今日なお数理的な思考や生物に非常な関心を示し、学校でもすぐれた成績をのこすことからもうかがえる自閉症者のスタンスと、そうでない人のスタンスのいずれが欠けたとしても、人類の今日の繁栄はなかったのかもしれないのだ。

 ニホンザルの近縁であるアカゲザルの群れでも、集団外の脅威にもっぱら注意を払うサルと、仲間同士の社会的交流の調整にエネルギーを注ぐサルがいて、しかもサルがどちらの役割をはたすかは遺伝的にきまっている(専門的には遺伝的多型があるという)ことが報告されているが、人間にもこうした特徴はうけつがれているらしい。

 社会的周縁に存在し、自然界のなかで自分たちがどう生きていくかに思いをめぐらす人物と、集団・社会内で互いの利益を調整し、どう上手くやっていくかに思いをめぐらす人物がいる――前者こそが自閉症者であることは改めて指摘するまでもないだろう。

 先史時代、われわれの祖先が狩猟採集に依存した生活をおくっていたころ、天候の変化をよんだり、動物の習性を知ったり、あるいは簡便な道具を作成したりするための「ナチュラリストとしての才覚」にたけていた存在と、社交にたけた存在が相補的に機能することが、人類の地球上での生活圏の拡大に多大の貢献をはたしたと考えられる。

 生物が同一の空間・場所にあって同じ景観に接したところで、その認識する世界は種によって多様である。
(転載終わり)
 
 きっと昔々の宗教家とか平安時代の和歌の達人とかは、自然の微かな変化も敏感に感じ取って独特な感性で言語化した自閉症的な人たちだったのでしょう。
 
 一方でADHD的な人は、関羽や張飛みたいに白刃の中を暴れまわって武勇を誇る豪傑になったのかもしれません。
 
 私なんかは現世では武術家を気取ってますが、ほんとは戦いが嫌いだから、前世はきっと戦場から逃げて、自閉症的な貴族かお坊さんのお世話でもしていたのかもしれません。今とあまり変わらないな。
 
 それにしても現代の機械文明、情報化社会は自閉症的な人たちが作ったのだとしても、それに彼らの多くが感覚的に合わずに逆に苦しめられてしまうとは、なんか皮肉な感じもします。

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