もし、アドラーが上司だったら、どうでしょう?
勇気づけてもらえるからやる気がわいてきて、いいチームにいられたという気になって、自分が役に立てたという思いを持てるようになるでしょうか。
でも、アドラー心理学はけっこう厳しいところもあるから、仕事はキッチリやることを求められるかもしれません。自分の課題は明確にされ、結局自分次第で頑張らないとならないことに気づかされそうです。
それでも、フロイトが上司だったらいうこと聞かないとハチにされそうだし、ユングだったらわけわかんないこといわれそうだし、おまけに突然ひきこもったり、女の子に手を出しそう。
スキナーだったら、ロジャーズだったら、マズローだったら、などと勝手に考えると面白そうですね。他派の臨床心理士、学者さん、是非出してみてください。
この春の発行後、著者の小倉さんから贈呈していただきました。小倉さん、ありがとうございます。
一読して、さすがたくさんの著書をお持ちの小倉さんらしく、一般の人の心に入りやすい言葉と物語で感心しました。
しかし、シンプルのようでいて、かなりアドラー心理学の本質が練り込まれていて、楽しくも充実した内容です。
特に参考になったのは、組織において、アドラー心理学をどのような発想で使っていくかというところ。
中でも「機能価値」と「存在価値」という考え方は印象深かったです。
「いいかい、リョウ君、キミはね、『機能価値』と『存在価値』をごちゃ混ぜにしているんだ。言葉を換えるなら『Doing(やり方)』と『Being(あり方)』と言ってもいい。キミは『Doing』が上手でなくて『機能価値』を上手く発揮できていないだけだ」 p96
相手を受け入れ尊重するということと、組織の論理とをどう折り合いをつけるか、一人の人間にとってはなかなか難しく感じられるところですが、うまく整理してくれたと思います。私もこの概念を使わせていただきたいと思います。
連休も終わってしまいますが、是非お読みください。
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