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October 25, 2017

アドラー・リーグ構想

 最近アドラー心理学に興味を持って学び始めた人たちは、遅かれ早かれ戸惑うはずです。
 
 なんでアドラー心理学の団体はいくつもあるの?
 えっ、仲悪いの?
 どこ行ったらいいの?
 ここでは、あそこの話はタブーなの?
 あの先生、どうなの?
 
「共同体感覚あふれる人たち」がなぜか、分裂状態。これが日本の現実。
 
 これには深いワケがあるのです。90年代半ばから後半かけて起こったアドラー心理学の黒歴史である分裂騒動。ここでは詳しく言いませんが。私も思い出すとまだ冷静ではいられないし。
 
 しかし、それによって、多くの人が大変なコスト(時間的、物理的、金銭的)を負い、迷い、苦労をすることになったのは事実だと思います。それでアドラー心理学から離れてしまった人も多いでしょう。
 私の仲間には「アドラー心理学の失われた20年」と呼ぶ人もいます。
 
 この事態を何とかできないものか。
 
 前記事で書いたシンポジウム「アドラー心理学の過去・現在・未来」岩井先生のブログ)で、最後に私は次のように言いました。
 
1.各団体が林立している現状の肯定
 分裂、割拠状態を嘆いても仕方ない。今さら一緒になるとか、統一するというのは無理だろう。
 むしろ、肯定し、アドラー心理学が本来持っている多様性としてとらえ直そう。
 
 そして、
 
2.他のアドレリアン・グループとの共存、共栄、切磋琢磨を目指そう
 私もここ数年の日本臨床・教育アドラー心理学研究会などの活動を通して、また他団体、グループの人たちと意識的に交流する機会を重ねて、冷静に見まわしてみると、それぞれに学べるところは多々あると気づきます。
 お互いに意識し合いながらも、いたずらに敵対することなく、いや、時にはライバルとして競い合っていけばいいでしょう。
 
3.時には連携、協同を
 そして、必要な時には協力して、協同で事業やイベント、研究、執筆などを行ってみよう。特にアドラー心理学の外の世界(例えば心理臨床学会などの心理系学会や精神分析学勢など)に対する時には、共同戦線を張ることができるかもしれません。
 
 以上のようなスタンスを、 「アドラー・リーグ」と呼んだらどうだろう、と話したのです。
 
 プロ野球やJリーグのように、普段はライバル、敵として振る舞いながらも、根底では協力、連携し合っていく「リーグ戦」です。
 
 実はこの言葉は私ではなく、アドラー仲間のS先生の発案です。素晴らしいと思ったので、借用させてもらっています。素敵なアイデアをありがとうございます。
 
 シンポジウムでも参加者の皆さんに、あるインパクトを持ったイメージになったようでした。
 
 さらに、実は先日、日本アドラー心理学会系のさる重要人物にあるところでお会いする機会があった時に、このアイデアを話したところ深く賛同してくれ、
「素晴らしい、是非、その中に入れていただきたい」
 と言ってくれました。あちらにも同じような問題意識を持っている人がいてくれたみたいです(ここまでしか言えないのが悲しいけれど)。
 
 岸見先生の『嫌われる勇気』を始め、たくさんの人たちの努力によって、せっかくここまで伸びてきたアドラー心理学の芽をまた摘んでしまわないためにも、大切な考え方ではないでしょうか。
 
 

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