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February 10, 2018

『[心の言葉]使用禁止! アドラー心理学と行動分析学に学ぶ』

 アドラー心理学と行動分析学は、基本的に同じ方向を向いており、共通性が高いと主張している本です。
 
 
 それは両者ともに、人の行動を理解しアプローチするときに「目的論的アプローチ」を採っているところです。
 
 著者は、原因-結果という因果関係で問題や病理を説明する医学モデル、医学的思考から決別したものとして、アドラー心理学を大変評価し、本質的に行動分析学に通じると論陣を張っています。
 
(引用始め)
 アドラー心理学の目的論という母体に、行動的思考もしくは行動の原理を接合していくことである。  p47
 
 アドラー心理学における目的論的アプローチは、スキナーの行動分析学との連携によって精緻化することができる。p89
 
 アドラー心理学による目的論的アプローチと、スキナー心理学の行動分析的アプローチとの連携によって―それに欲望に基づく目的を追加することで―、従来、心理療法(特に精神分析)と精神医学に蔓延していた病因(原因)論的アプローチ、ひいては病因論の呪縛から解き放たれることになる。 p90
(引用終わり)
 行動分析学がご専門らしい著者のアドラー心理学理解も正確だと思います。ただ引用した人名の誤植がいくつかあるので気になりましたが。
 
 私も同様の発想でずっといて、以前、行動分析学の本も紹介してアドラー心理学との類似性を指摘しました。
 
 確かにアドラー心理学はかなり「大雑把」ですので、行動分析学や、あるいはシステムズ・アプローチなどを手勢に加えることで鬼に金棒になるでしょう。
 
 ですから、行動分析学の専門家から賛同してもらったようでうれしかったです。おまけに本書では、私の拙監修書『ブレない自分のつくり方』(PHP)も参考文献欄に入れてくれてます。ありがとうございます。
 
 科学主義や還元論(行動分析学)と現象学や全体論(アドラー心理学)などの思想上の立場の違いはありますが、私はこれは些末なことだと思っています。むしろより大きな枠組みを意識して、この程度の二つの思想は自由に行ったり来たりできなければ。
 
 心理学の基礎として行動分析学は基本中の基本、アドラー心理学を学ぼうという人は目を通すべきですよ。
 
 ちなみにAmazonには行動分析学に詳しいらしい人からの辛口の書評が出ていますが、赤面症の「顔が赤くなる」は、徹底的行動主義だとオペラントの成分が強いと考えるのかもしれませんが、アドラー心理学や著者は、レスポンデントの成分が強い、つまり外界(他者)を操作する目的があると考える立場だと思うので、間違っているわけではないと思います。
 
 

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